第3話 我が神様

しばらく神への罵詈雑言を叫んだ俺は肩で息をしながら寝室を出た。

寝室を出て気づいたがここは二階建ての建物らしく、同じ階にある部屋の間取りなどを見ると一般的な住宅のようだった。

俺は階段を降りて一階に降りる。

一階もやはり普通の間取りだ。お風呂がありトイレがありキッチンがある。

一番驚いたのは洗濯機や冷蔵庫といった普段使っていた家電があり、普通に使えた事だ。

コードとかがないのに‥一応確認するもソケットもなく電源が入る。さらに蓋つきのゴミ箱にはスイッチがついており試しにキッチンに置いてあったティッシュを丸めて入れスイッチを押す、するとさき程入れたティッシュは失くなっていた。

これはあれかな?ゴミの分別とかしなくていいのかな?


そしてリビングに行く、そこにはテーブルにソファー、そしてなんとテレビが置いてあった!!え?見れるの?それなら毎日楽しみにしている刑事ドラマの再放送見れるかな?

もう何度も再放送されていてたまに冒頭をみただけで「あ、これか~」と内容が分かるまで見ていたあのドラマ、見れるなら見たい!!そう思いリモコンを探すとテーブルの上にあった。だが、その隣には一枚の紙が置かれていた。手に取り見てみると


家具の使い方

テレビ、久保清司のいた世界のテレビを見ることが可能、録画可、さらに分断された4つの世界を見ることが可能、写し出される場所はその都度違う。

冷蔵庫、冷蔵庫についているボタンを押せば中の食材が補充される。

洗濯機、一般的な機能の他超強力汚れ落とし機能搭載、どんなにしつこい汚れも綺麗に落ちます!!

タブレット、欲しい物品などがあれば注文可能、予算は久保清司を転生させた神請求、


等々と細かい説明書きが続き最後にこう終わる。


〝あのチャランポランが適当にそっちへと送ったせめてもの罪滅ぼしだ、ホントにすまない!!あのバカまさか住む家とかをまったく準備しないでそちらに送りやがったのだ、欲しいものはじゃんじゃん購入してくれ、あのバカに渡してもどうせ酒とおもちゃに消えるからな、それではよろしく頼む

by神より〟


俺は持っていた紙をテーブルに置く、

まるでとても大切な宝物のように

そして紙の前に座り手を組んで


「神はおられた!!まさに貴方が真の神だったんですね!!ああ!!ありがとうございますありがとうございます!!」


俺は涙ながらこんな厚待遇をしてくれた神に感謝の祈りを捧げた。


本当の神様に祈りを捧げた俺は立ち上がりキッチンへと向かい冷蔵庫を開ける。

中に入っていたコーラを取り出しコップを持ってリビングに向かいソファーに腰を落とす。そしてコップにコーラを注ぎ一気に飲み干した。


「っ!!はぁぁっ!!やっぱりコーラは最高だ!!しかもこうやって使った物は全部あの神の金、くぅ~!!旨いコーラがさらにうまい!!」


そこで俺はふと思った。

あのだめ神と素晴らしい我が神様を一緒に神と呼ぶのは不敬ではないかとそこで一考してから


「よし!!あのバカ神をゴミと呼び素晴らしい我が神様を神様と呼ぼう!!」


なんて素晴らしいアイデアなのだ!!

自分のセンスに感服してしまう


あはははっ!!!!


と高笑いしているとどこからともなく

ピコーン!!

という音が聞こえた。

俺は直感ですぐにステータスボードを開く

すると

✉️のマークに一件のメールが届いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る