第11話 ゲーム内の77ビルへ

 第七地区へ転移した。

するとそこにアーシェスがすでに待っており、

こちらに対し手を振っている。


アーシェスは大き目のフードをかぶっており、

フレンド交換している俺からであれば

あの人物がアーシェスであるという事が分かった。

顔が隠れるほどのフードをつけていると

どうみても不審者なのだが、

この厨二スタイルはゲーム内でも多く案外目立たないものだ。


「お待たせしました」


俺はアーシェスに近づき、話しかけた。

「大丈夫だよ。

 じゃあ、さっそく行こうか。

 パーティを申請するね」


ちなみにこのゲームにもパーティという要素がある。

コロシアムでの対戦でチーム戦などもあるからだ。

俺もたまに観戦に行ったりする。

一対一も面白いがパーティ戦も見ごたえがあってよいものだ。


アーシェスからの申請を受けて俺たちは移動した。

ここの大きな転送装置からは各地区事へ移動可能だが、

一つ一つの地区も実はかなり大きい。

だから、地区内の移動でもさらに別の移動手段を使う事も多い。

「一応【77】のビルはここから近いんだ。

 歩きながら説明するよ」


そういって歩き出したアーシェスの後をついていく。

地区事に特色が変わっている。

例えば第一地区はコロシアムがあり、

ほとんどのプレイヤーが集まるため、

かなり規模が大きい。

第二地区はNPCの役人が多い場所である。

ここで自分の家を購入したり、

ギルドというチームを結成したりする。

ちなみにアーシェスさんは77というギルドに所属している。

そのまんまだ。


俺?


俺は無所属だ。

以前はとあるギルドにいたが、戦闘職を辞めて

生産職になる時に退団している。


脱線したが、第三地区。

ここは色々な素材が購入出来る地区だ。

武器、防具、アクセサリー、料理など

必要な素材はほぼここで手に入る。

ただし、お店の数が尋常ではない。

例えば金属を購入するお店だけでも

軽く2桁を超えている。

第四地区は完全に娯楽施設だ。

ゲームセンターを始めとしたミニゲームが楽しめる地区である。

そして、第五地区からプレイヤーが住む事ができる所となる。

これも地区によって場所がずいぶん違う。

ちなみにここ第七地区は服やカバンなどといったファッション関係が

充実している都市だ。


普段来ない都市をなんとなく田舎者のように周りを見ながら

アーシェスさんの後に続き、

一つのビルへと入った。

パーティメンバーとなっているため、アーシェスさんと一緒に

ビルの中へ入れるようだ。


入口から転送され、

まるで現実世界の【77】の事務所のような入口についた。


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