第10話 ヘイスシティ
トイレから戻った俺は春斗さんと共に
VR機器を装着し、一緒にソファーに横になりながら
ゲームへログインした。
ちなみにベッドソファーというらしい。
寝心地が良かったため、
ちょっと欲しいと思ったのは内緒だ。
あとでメーカーを調べておこう。
「大吾君、第七地区の転送装置の前で集合でいいかな?」
「分かりました」
そういや、ゲーム内で何度も会った事はあるけど、
アーシェスのホームハウスに行くのは初めてだな。
意識が落ち、電子の海へダイブして行く。
この感覚は何度体験しても面白いと思ってしまう。
すぐにソファーにいる俺はゲームのテイクへと変わった。
ここは俺の工房だ。
そういや最後にログアウトしたのはここだったな。
ついでに例の物を持って行くとしよう。
まだ申請が出来ていない状態だから、
エミュレータでしか触れないが、
驚いてもらえるといいな。
俺は工房を出て屋外へ出た。
空は快晴であり、空をいくつもの飛空挺が浮いている。
俺がいる第十三地区から待ち合わせの第七都市へ行くために
転送装置へ向かった。
ちなみに、転送しなくても移動可能だが、
恐ろしく時間が掛かるため、
そういった移動に娯楽を感じる人以外は
ほとんど転送装置を使用するのだ。
都市には料理を作っているプレイヤーも多い。
特にそういったパラメータがあるわけではないが、
リアルに影響せず、ご飯が食べれるというのは
中々に良い。
普段食べれないような料理なども多くあり、
俺もたまに食べ歩きをしている。
購入するにはゲーム内通貨が必要になる。
ゲーム内でお金を稼ぐ手段は以下の通りだ。
・コロシアムで戦い勝利する。
(NPC戦でも可)
もちろん、PvPでの勝利の方が金額は高い。
・武器、防具、アクセサリーなど生産物を売る。
ちなみに俺が作ってるスキルも同様だ。
・働く
主にプレイヤーのお店の手伝いなどで
金銭を得るという手段だ。
大きな料理店などではプレイヤーを雇っているらしい。
ちなみにリアルマネーをゲーム内通貨に換える事も出来る。
所謂課金というやつだね。
出店のおいしそうな匂いを感じながら
転送装置に着いた。
大きな水色のクリスタルが宙に浮いている。
クリスタルを囲うように宙にリングが浮いており、
ザ・ファンタジーといった感じだ。
近くまで行き、転送装置へアクセスする。
『ようこそ。第十三地区へ
どのような用件ですか?』
目の前にウィンドが立ち上がり
選択肢が出現する。
俺は転送の部分をタップする。
『転送箇所をお選び下さい』
今俺が転送可能な場所が一覧で表示される。
そこから第七地区を選びタップした。
『転送費として1000Eになりますが宜しいですか?』
ちなみに通貨はEである。
なんて読むか不明だ。
なぜか運営はぼかしている。
やはり『えん』なのだろうか。
俺は【はい】を選び転送が始まった。
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