異能による副作用…言い忘れによるトラブル。

「お前、下着なんで着てないんだ?」


俺が渡した服はワイシャツとジーパンだ。その服を着ているのはいいのだが、下着を着ている様に見えなかった。


「下着…。」


服の下を覗き込むとか、男の居ないところでやって欲しいんですが。俺は目のやり場に困った。女子高生は下着を着てない事に今更気付いたのか顔を赤くしていた。


「…なんでわかったの?」

「そりゃあ、お前の服装見ればわかるよ…。」

「…透けてる?」

「…まあな。」

「いやあぁあああー」


女子高生は前にいる俺の右頬を右手で平手で殴ると後ろに向き、うずくまる。勢いで俺は左を向く。見たくて見た訳では無いのに理不尽だ。


「大声であんまり叫ぶなよ…」

「だって私の胸や…。」

「仕方ないだろ下着を来てない状態でワイシャツを着てれば流石に…」

「下は見えてない?」

「下ってなんだ?」

「いや、それならなんでもない…。」


そういうと女子高生は胸を左腕で隠してこちらを向き直した。その顔を赤くしてこちらを向かれても他の男性ならドキッと来てしまうだろ…前にいるのが俺で良かったな。まあ多分この女子高生は美しいか可愛いかの分類だろう。JK好きなやつからしたら美味しいシチエーションとか言うやつなんじゃないか?詳しくは知らないが。


「服の上から胸を隠すのか。」

「だって…見えるんでしょ…?」


そりゃぁ下着なしのワイシャツだと見えるだろと言いそうになったが言うのを止めた。ワイシャツを用意したのは俺だからだ。まあこうなるとは思わなかった訳だが。さっき言っていた下はと言う台詞が少し気になるが、下に履いているのはジーパンなので何が恥ずかしいのかいまいちわからなかった。


「ひとつ思ったんだが、さっきから命令口調、質問口調なのになんで能力が発動しないんだろうな?」


着てないんだ?、叫ぶなよ、なんだ?、隠すのか等結構語尾に命令口調、質問口調の台詞を言っていたが全然発動してなかった。今までなら全て能力が発動してしまっていたのに。


「確かに…私にもよく分かりません。」


どうやら能力が発動したようだ。もしかしたら相手の鼓動が激しかったり、俺自身の鼓動が激しかったら感情の方が優先されて能力が発動しないのかもな。いや、俺自身が落ち着かないと発動しないだけかもしれない…別に女子高生の裸ワイシャツに興奮していた訳では無いぞ。男としては当然の反応だろう。少し試してみよう。


「さっき下がどうかしたとか言っていたが、なんだったんだ?」

「な、なんのこと…パンティも履き忘れました…。」


どうやら、俺自身が落ち着かないと能力が発動しないだけらしい。女子高生は無言でさっきと同じように平手で俺の右頬を殴った。そして今度はこっちを向いたまま、うずくまった。


「なんかすまん…」

「…うぅぅ…。」


正直、何かあるだろうから反応を見せるだろうと思ってかまをかけた訳だが、まさかパンツも履いてなかったとは…。


「…正直、服を着ていた時の記憶はないんです…どうやら命令口調で言われたりした時、自分の意思は無くなるみたいですね。命令された事が終わると意思が戻るみたいです。」


俺が命令口調で言ったのは、服とズボン着てこいよだけでパンツやTシャツも着てこいとか言ってなかった。1から全て言わないと上手く能力が発動しないという弱点に今気付いたが、これは俺がちゃんと言えば良いだけであり特に気にすることでも無さそうだ。いや、超能力には副作用があるのかもしれないのでいつ副作用が出るか分からないし、安全はまだ出来そうにない。


「なるほどな。こういったアビリティ?には何か副作用あるのか?」

「ないと思うよ…私はこの能力を得て酷い目に合ったことは何度かありますが、副作用と言ったような症状は1度もなかったです。しかし無いかどうかは分かりません。」


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