異能で試す…自分の知らないことも聞けるのか?

確かにこの女子高生の超能力 魅力は異性を引き寄せるので酷い目に合いそうな力だろう。まあ俺に近づいてきたのも魅力で油断をつくって俺からアビリティボールを奪おうという策略だったのかもしれない。自分の超能力が魅力だったんだ。流石に他の超能力を欲しがってしまうのは無理もない。まあ運悪く俺みたいな歳下に興味無い奴に話しかけてきた訳だが。と言っても俺のような有言実行みたいな超能力が発言するとは限らないだろう。ひとつ試してみるか。


「お前にも分からないんだな。もしお前が俺のような透明なアビリティボールを受け取っていたりしたらなんて言う超能力だったんだ?」

「そんなこと私に聞かれても…もし特殊系アビリティボールを受け取っていたら、一点集中という異能を得てました。…って?なんで私知っているの?」

「やはりな。俺の有言実行は物事、事象問わず実行出来るらしい。だからお前が知らないお前自身の事も引き出すことができるんだろう。これも試しだが、俺自身が精神力系アビリティボールを受け取っていたらどんな能力だったんだとか言ってみるか…もし俺が精神力系アビリティボールを受け取っていたら、俺と相手、物、事象と意志をリンクし聞き出したり利用して俺の奴隷にしたりする能力が目覚めていた。…特殊系で良かったと俺今物凄く思ったんだが。」

「わ、私も…。」


特殊系って言葉通り他の超能力よりヤバそうに思えるが、特殊系と精神力系なら精神力系の方がヤバいなんて逆転する事、普通あるだろうか。もしこの女子高生とアビリティボールを交換していたら俺はこの女子高生と意志をリンクして奴隷にしていたかもしれないのかという事に少し動揺した。使い道はあるのかもしれないが有言実行が制御出来てないのだから精神力系 奴隷も制御出来てなかったんだろう。


「ひとつ気付いたんだが、多分このアビリティボールから得られる超能力って自分が望まない超能力なのかもしれないな。」

「自分が望まない超能力?」

「あぁ。俺自身、有言実行やら奴隷やら望まないしな。どうせならお前のような魅力能力で女性ナンパして遊んだりした方がまだマシだ。」

「ナンパ…。」


女子高生は少し俺から身を引いた。


「引くな…例えだよ例え。有言実行のようななんでも言葉で思うがままとか俺は望んでないんだ。お前だって俺の持つ有言実行みたいな能力を望んでいたはずだ。だが、特殊系アビリティボールでも匂い系の力だぞ。魅力よりはいいかもしれないが、相手を陥れるぐらいしか出来そうもないだろ。」

「臭いで相手を殺す事もできそうだけど。」

「それもそうだな。だが、臭いというのは広がるもの。味方までも殺してしまう事態になるだろうな。」

「確かに。」


まあ1匹狼で生きていくなら、味方とか気にする事も無さそうだが、捕まっている奴を殺すとしたら1人で行くのは無謀と言えるだろう。いくら臭いで殺しても敵になる警察はどんどん来ることになる。銃で打たれたりしたら流石に臭いでは防げないだろう。まあもしもの話だけどな。 それにしても捕まっている奴に仕返ししたいという願望は1人では叶いそうもないな。


「お前、この事実を知ってまだ捕まっている奴に仕返ししたいのか?」

「うーん…正直言いますと迷ってます。流石に特殊系を得て臭いで相手を殺せるとしても、奴に会うまでが大変ですから。あなたが手伝ってくれるなら私が魅力で引き付けてそのうちにという手段はあります。」

「おいおい、俺を巻き込もうとすんな。」


女子高生が相手にしようとしているのは警察だ。手伝ったりしたら犯罪の片棒を担ぐことになりかねない。


「いや、思っただけでやろうとは思ってない…すみません、巻き込んだりしません。」

「まあ巻き込まないのなら別にいいんだがな。そろそろ夜も遅くなってきたし寝るとしようか。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る