異能が発動…俺の異能は一体?

「友達はなんでアビリティボール?をお前にあげたんだ?」

「…えっと能力を使ってキャバ嬢になっていたらそこに先生が来て年齢を偽っていた事がバレて使い道無くなったから必要なくなって貰ったんだよ。」

「退学か、停学にならなかったのか?」

「…えっと退学になる前に私にくれたの。」


年齢詐欺できるなら、使い道はまだあったんじゃないのかと俺は思った。この子は多分高校1年ぐらいだろう。友達も同い年とするなら能力で大人になりきってまだ色々できたはず。


「本当のことを言ってくれないか?」

「…本当は美咲、大人になりきってキャバ嬢していたら帰り道にホテルに連れていかれてそのまま襲われてしまったんだよ。メール見てそのホテルに駆けつけて部屋に入った時には殺されていたんだ。そこに黒いボールが落ちていたの。」

「なんで嘘ついた?」

「…思い出したくなかったから。」


そういうと女子高生は泣いてしまった。


「お、おい、急に泣くなよ…。」

「…なんで思い出させるんだよ…。私は、この能力で美咲を殺したやつに仕返しをしようとした…でも…この能力では仕返しができない…。やつは終身刑になって今も生きている…。私はやつに仕返しをしようとアビリティボールを探していたんだよ…。そしたらお前がサイコボールを拾っていた…だからお前に話しかけたんだ…。」

「悪かったって…こんな所で声を出しながら泣くなよ。そ、そうだ、この二階にあるカラオケに行こうな。」


俺は泣きじゃくる女子高生をつれてカフェを出て2階のカラオケによった。店員に不審に思われていたが、自分の能力で何とかなった。俺は自分に宿った能力がなんなのか分かってきた。


「だ、大丈夫か?」

「大丈夫だよ。…怪我はしてないし、あなたに襲われてもないから大丈夫です。」

「いや、襲わないから。」

「ねぇねぇ、あんたに宿った力ってもしかして、特殊系の支配能力?」

「俺もそんな気がしていたが。」

「いいな。私にサイコボールくれない?」

「どうやって取り出すのか知らないんだが?」

「さっき言ったよね?」

「いや、自分から取り出す方法を知らないんだ。」

「そっか…心からいらない若しくは、あげてもいいと思わないと自分から取り出せないんだよ。あなたを倒して取り出すのも手なんだけど、私の能力は魅力だから実力で倒すしかないし…。」

「お、おい俺を殺すとか言うなよ…。」

「安心して、犯罪に手を染めることだけはしないから。やったらあいつと一緒になるし。」


殺されなくて良かったと俺は安堵した。


「で、これから泣き止んだ私をどうするの?今カラオケルームに私とあなただけだし。」

「変な言い方するな。年下に興味無ねぇよ。」

「私の魅力に引かれたりしないのかな?」


女子高生はソファに登り四つん這いになって俺にかなり近づいて来た。


「抑えているんだ。あんまりそういうことすんな。」

「そうなんだ。アイツみたいでなくて良かった。」

「いや、こんな所で(裸になれ)とか言えるわけないだろ。」

「確かにそうだね…。」


すると女子高生は制服を脱ぎ始めた。


「お、おい何をしているんだ?」

「…裸になれと言われたので脱いでます。」

「は?そんな事…」


誠我(俺)はさっき言ったことを思い出した。言えるわけないと言う言葉はスルーされ裸になれと言う命令だけが伝わったらしい。どうやらこの能力は命令となる言葉なら後に続く言葉を無視して命令してしまうらしい。ホームランを連発した時は、絶対ホームランを打つと確か言ったような。理も無視してしまう可能性もあるのか。自分の思うがままに支配するのではなく、言葉で言ったことを実行させてしまう力なのか。言うとするなら、特殊系支配能力ではなく、特殊系有言実行と言う能力って感じか。いや、若しくは支配能力は既に存在していたので有言実行になったと言う可能性もあるな。もし、能力が一人一人違うのであれば同じ能力は存在しないのだろう。だからこの女子高生は前の持ち主の能力とは違う能力になったと言える。いや、亡くなったのだから同じ能力が宿ってもおかしくないのか。そんなことより今は上を脱いでブラジャー姿になった目の前の女子高生を止めないと。スカートを脱ぎ始めようとしているし。


「お、おい、脱ぐのをやめて制服を着ろ。」


すると女子高生は制服の上を着始めた。どうやら命令は上書き出来るらしい。上を着終えると女子高生は隣に座って話しかけてきた。


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