風の強い日
その日は吹っ飛ばされるような風だった。
自転車で朝からわっしょいわっしょいと学校まで漕いで登校する私は、道のりの半分もいってない坂道でくたばっていた。
正直言ってめっちゃしんどいし、めっちゃ眠い。
学校休みたい。
しかし、今まで自分を甘やかしてきた私は残念ながら成績がやばいのである。
つまりツケが回ってきているから学校は休めない。
ほとほと自分に呆れてため息をつく。
遅刻しても呼び出しくらうって何、自分…。
うんしょどっこいしょ、と自転車を押し押し坂道を登る。
がんばれ私、これが終わればあとは天国(下り坂)だ。
すると、また風が吹いた。
「うわっ」
強い風だ、目も開けられない。
ぎゅっと目を瞑った時。
「やあ、調子はどうだい」
耳許で声が聞こえた。
びっくりして目を開けると同時に砂が目に入って思わず自転車を倒してしまう。
うっわ、最悪。
目を開けた瞬間、後方に向かって真っ白な手が飛んでいった気がするけど、気のせいだと思うことにした。
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