新しい家
今月の末には引っ越すことにした。
台風の影響でもう家自体がボロボロだからだ。
今日はその家の視察にきた。
なんだか昔の家みたいでちょっとウキウキする。
実際土間なんてものがあるし。
現代っ子の私にはもの珍しいものばっかりだ。
きょろきょろとあっちを見てこっちを見て、なぜだか感慨深く思ってると、二階への階段を見つけた。
そういえば二階は私の部屋がある。
ひゃっほい、上がってみようぜ、と謎の高いテンションで上がる。
階段を上がってすぐ左の一番奥が私の部屋だ。
「おお」
一言呟いて早速部屋を漁ろうとした次の瞬間。
誰かとすれ違った。
ぶつかりそうになって慌てて避ける。
「あ、すみません」
そう謝って二歩、踏み出してからはて、と思う。
今の行為は無意識にした。
ただ、一つだけ大きな疑問が。
皆は荷物運びをしていて、今下にいる。
つまり。
この階には誰もいないはずなのだ。
…ということは。
その、言いにくいんだけど、つまり。
さっきのやつは。
「ひぇっ」
慌てて下に駆け降りた私だった。
ちなみに言うと、事故物件ではありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます