流れ星
深夜三時過ぎ。
私は寝れずにいた。
とにかく暑い。
雨が降ったあとだからか、じめじめして湿気が多いから暑いのだった。
どうせなら外に出て涼もうと、夜の街に飛び出す。
玄関を出て通りを行った先にある、ちょっと広めの駐車場につく。
そのままくるくると何周かしてから、家に帰ろうと元きた道を戻る。
特になんもなかったしな。
そう思いながら、ふと空を見上げた時。
つー、と一筋の光が、空から落ちてきた。
ぽかんとそれを見上げる私。
流れ星かなっと思って、慌てて願い事をする。
なんにしようとか考える時間がなかった。
本能のままに願う。
“どうか、あの子が怪我をしますように”
それはちょっとしたイタズラ心で。
それはちょっとした腹いせで。
それはちょっとした報復で。
虐められていた私は、虐めてきたあの子のことを願ってしまった。
空を見上げると、もうソレは無かった。
「…まぁ、流れ星に願い事なんて幼稚だしね」
そう呟いて自嘲する。
次の日。
例のあの子が休んだ。
なぜかと友達に聞くと、こんな答えが返ってきた。
「え?あー、あの子ね。昨日の深夜三時過ぎくらいに、なんでも家が急に火事になったらしくて。逃げ遅れて全身ヤケドして今入院してるらしいよ」
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