悪夢

風邪引いて寝込んでいた日のこと。


うつらうつらとしていたのか、気がつくと夢の中だった。

夢の中で夢を見ていると気付くのは、私的によくあることだ。

その日も、なんだ夢かー、夢なら推しに逢えるかなー、とかなんとか思っていた。

が。

どうも妙におかしい。

なにがおかしいかって?

…わかんない←

でもおかしいのはわかる。

例えるとそう、あの感じだ。

鏡を見ている時に、鏡の中の自分が手足を出した方と逆を出す、みたいな…(語彙力)


そう、あれだ、なんだ。


自分の周りが全てだった。


ソファーも机も椅子もなにもかも。

ぽかんとそれをちぐはぐのベッドに寝ながら見つめる。

すると、どこからか音が聞こえてきた。



何かを引きずる音。

そして周りを見回した私は気付く。

枕元に、水晶。


がちゃん。


扉が開いて、中から髪の長い女の人が出てくる。

手に、包丁。

あ、これ、やばい。

でも金縛りにあったように身動きが取れない。

その人は私の枕元にきて、その包丁を振り上げた。

心の中で悲鳴を上げる。



そんな音がふさわしいくらいに私の心臓に包丁が刺さった。

いたい。

声もでないほど痛かった。

私は自分から紅い血がどろどろと流れていくのをぼぅっ、と見ていた。


気付くと汗びっしょりで布団に寝ていた。

今の夢はなんだったのか。

正夢なのか、予知夢なのか。

それともただ単に悪夢なだけなのか。

真相は神のみぞ知るである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る