映画鑑賞
高校に入ってすぐくらいの頃。
居候から珍しくお誘いがあった。
「映画鑑賞しよう」
「え、いいけど…どしたん?急に」
「いや、まぁ、うん…」
歯切れ悪そうに言う居候に何かあったのかと心配して、映画鑑賞に付き合うことにした。
「いや映画鑑賞ホラー映画だから一人じゃ嫌だなって」
「くたばれよお前」
私の心配を返せこの野郎。
そんな理由で歯切れ悪そうにすんじゃねぇよ。
あれから数時間。
かれこれもう三本目のおどろおどろしいパッケージを開ける居候に怒鳴る。
しかも全部めっちゃ怖いやつじゃん。
半ば涙目になって、居候の胸元を掴み上げる。
「どうしてくれんだよ今日一人で寝られねぇだろ!?」
「まぁまぁ、ほらあたしが泊まってやるから」
「お前さてはそれが目的だな!?」
「もうすまんって、ほら隣の人にも迷惑かかるだろ」
「はぁ…全く判ったよ…」
と、二人同時に気付く。
隣の人?
ここには私達二人しかいないはずだ。
嫌な予感がして振り向く。
そこにはダラダラと頭から血を流して目が真っ黒い男の人がじっと私達二人を見つめていtぎゃあああああああ!?
「「うわぁあぁあああぁぁあああ!!」」
すると叫び声に満足したのか、男の人はドヤ顔をしたあとすぅ…っと消えてった。
「…ねぇ」
「…なに」
「今日、お泊まり女子会開こう(※訳 泊まってって)」
「おう、絶対そうしようぜ(※訳 そのつもりだったよ)」
それから二人でホラー鑑賞会はぱったりと辞めた。
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