これまた夜中の出来事である。

一階で寝ていた私は叩き起こされて洗濯物を干してこいと言われた。

なんたる横暴かと文句を言うとしてこなかったら小遣いはなしと言われた。

しぶしぶ二階にあがろうと玄関へ続く扉を開ける。

部屋から出てふと横を見た。



思わずすん、と無表情になる私。

それは黒い人影だった。

なんだお前。

なんでそんなとこで揺蕩っている?

そんなとこにいたら私の心臓が危ういではないか。

心臓麻痺で死んだら末代まで恨んでやるからな。

ちょっと震えている手で玄関の電気を消す。


「うわっ」


そう叫んで人影が消えた。

また無表情になる私。

二階にあがって思わず叫んだ。


「いやお前が驚くんかーいっ」


もちろん近所迷惑だと怒られた。

解せぬ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る