二階
私の部屋は二階にある。
階段を登ってちょうど突き当たりのところだ。
扉はいつも開けっぱなしなのでプライベートもクソもない。
ある日、私は部屋で本を読んでいた。
だんだんと眠くなってきて、気づいたらうとうとと居眠りをしていた。
そんな時だ。
こんこん。
窓がノックされた。
寝ぼけ眼で返事をする。
「ふぁい?」
「あの、薬局の行き方を知りたいのですが…」
「いいですよ〜、そこの道をまっすぐです〜」
「ありがとう」
そう聞こえて安心してまた寝ようとしたところでくっきりと目が覚めた。
そして当たり前の事実に戦慄する。
ここは二階だ。
そう、なにをどうやっても二階なのだ。
…でもちゃんとお礼言われたし良いよね。
そう結論付けて私はまた居眠りを開始した。
翌日、玄関のドアの前に一輪の花が置かれていた。
それはご丁寧にもリボンで巻かれていた。
礼儀正しい霊もいたものだと思った。
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