声に出せない愛の言葉を
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『おめでとう』と素直に言えないのは、年をとったからなのか、はたまた自分の性格がそうさせるのか。
いや、多分相手が悪いのだろう自分が素直になったところで、きっと何も変わらないと思うから。
ずっと一緒にいた時間が長ければ長いほど、隣にいて幸せだと思えば思うほど、それを口にする事が何故か出来なくて、想いは空回りするばかりだけど。
そんな二人の関係も心地よくて手離せないから。
声に出して言えない想いを胸に秘めて、とびきりのプレゼントを用意した。
素直じゃないくせに無意識に喜びを溢れ出している君に、素直じゃない僕からの愛の言葉を込めて。
『お誕生日おめでとう!これからもよろしくお願いします。』
―――
『ありがとう』と素直に言えないのは、年をとったからなのか、はたまた自分の性格がそうさせるのか。
いや、多分相手が悪いのだろう。自分が素直になったところで、きっと何も変わらないと思うから。
好きになればなるほど、大切で離したくないと思えば思うほど、この胸は苦しくて、伝えたい言葉は中々伝わらないけど。
こんな関係も心地いいから
君が想いを込めたプレゼント、照れくさくて上手に受け取れないかも知れない。
だけどそんな俺の秘めた想い、君はきっとわかってくれると信じてる。
不器用で素直じゃない君へ、素直じゃない俺からの感謝の言葉を込めて。
『ありがとう。これからも側にいて下さい。』
―――
「………」
「…………」
俺の部屋で無言のまま、向き合う二人。カーテンの隙間からは綺麗な夜景が漏れている。
「……何とか言えよ。」
「そっちこそ……ありがとうとか何とかないのかよ。」
「別に……つぅか俺、誕生日とかプレゼントとか苦手だって知ってるだろ。」
「知ってるよ!だけど……」
「…………」
俯いた辻村の肩が何故か小さく見えて、俺は思わず抱き寄せた。
「!!……何だよ、いらねぇんなら返せよ。プレゼント」
「いやだ。」
「……大事にしろよ。」
「あぁ。」
素直じゃない事を言いながら抱きついてきた辻村を、素直じゃない俺は強く抱き締めた……
―――
仲本の誕生日記念小説として書きました。素直じゃない二人でしたが、まぁ最後はこの二人なりの結末という事で(^-^)
読んで頂いてありがとうございました!
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