Out,out with the pain!
六月八日。月曜日。夕方。今日も学校が終わってすぐに何でも屋朱雀店に向かう。店の引き戸を開けるとまず最初に無人のカウンターが飛び込んできた。カウンターの前を通り店の奥へ向かう。来客用のソファーに座っていた店長が私を見て「おはよう雅美ちゃん」と言った。彼は今日もノートパソコンを持ってきて仕事をしている。
「おはようございます」
「仕事があるよ」
「えっ、お客さん来たんですか?」
「ううん。僕が雅美ちゃんに依頼するの」
私が頭の上にクエスチョンマークを浮かべながらも、とりあえずソファーに座る。
「どういう意味ですか?」
すると店長はすぐ横に置いてあったビニール袋を私に差し出した。私はそれを受け取って中を覗く。
「リッ君が風邪ひいたみたいだからさ、その薬家まで届けてあげてくれない?」
ビニール袋の中には市販の風邪薬が入っていた。確かこれは熱を下げる薬だったはずだ。
「瀬川君風邪ひいたんですか」
「うん。朝からずっと熱が下がらないんだって。でも家に薬がないらしくてさ」
なるほど、熱があって薬を買いに行けないのか。あれ?でも親は何をしているの?そう疑問に思ってすぐ、私は三月に依頼でペンキ塗りをした時の瀬川君の言葉を思い出した。たしか親は共働きだったはずだ。
「でも私じゃなくて店長が行けばいいのに……」
「僕は忙しいからダメ」
「忙しそうに見えないんですがそれは」
わざとらしくキーボードを叩き始めた店長を見て、私はため息をついた。
「わかりましたよ、店長は忙しそうなので私が行ってきます。でも私瀬川君の家知りませんよ?」
「あれ?そうだっけ。じゃあ地図書くから待ってて」
店長はそう言うと引き出しから紙とペンを取り出して地図を書き始めた。おそらく家の方向は私と同じだろうから、地図を見れば辿り着けるだろう。もしかしたら私の家と案外近いかもしれない。
店長から地図を受け取ってソファーから立ち上がる。まぁ瀬川君はたった一人のバイト仲間だし、心配でないわけはないのでこれくらいは任されよう。それに、今頃熱で苦しんでいるかもしれないからなるべく早く薬を届けてあげなければ。
「それじゃあ行ってきます」
「気をつけてね。あ、あとリッ君にちゃんと何か食べたか聞いといて」
「わかりました」
私はスマホと財布という最低限の荷物に、薬と地図を持つと店を出た。とりあえず地図を確認してみたが、やはり瀬川君の家は私と同じ方向だ。前に一度家まで送ってもらったことがあるから、そうじゃないかと思っていたのだ。
地図によると途中までは私の家までの道と同じだ。地図に書いてある丁字路と私の記憶の中にある丁字路を重ね合わせる。この丁字路を左に行くと私の家、右に行けば瀬川君の家のようだ。ここまでは地図を見なくても大丈夫だろう。私は地図をポケットに入れると歩き出した。
瀬川君の家は閑静な住宅街にあった。この辺の家はみんな大きい家ばかりなので、実は瀬川君の家はお金持ちなのかもしれない。私の家もそこそこ大きい自信があったが、この辺に住んでいる人達はきっと生活に余裕がある層なんだろうな。
瀬川君の家はシンプルな外装で、周囲は柵がわりの灌木があるだけで花などはほとんどなかった。庭が広いだけに寂しく感じる。私は門を通って敷地内に入り、玄関横のインターホンを押した。
「…………」
反応が何もない。もう一度インターホンを押してみるが、ピンポーンというよくある音がちゃんと家の中に響いていた。瀬川君は寝ているのか、もしくは居留守を使っているのか。
「…………」
瀬川君のことを考えると居留守の可能性の方が高いような気がして、私はポケットからスマホを取り出した。履歴を辿って瀬川君の番号を見つけ出し電話をかける。
すぐには出ないかと思っいたがわずか三コールで出て、私は驚きで少し声が裏返った。
「あ、もしもし瀬川君?ごめん、起こしちゃったかな?」
《……大丈夫》
「店長が風邪薬持って行ってって言うから実は今家の前に来てるんだけど出られる?無理ならいいんだけど……」
《待ってて》
その言葉の後すぐに通話が途切れる。言われた通りおとなしく待っていると、目の前のドアが控えめに開いた。
「こ、こんにちは。ごめんね突然押しかけて」
「別にいいよ」
私を出迎えた瀬川君は黒い部屋着を着ていて髪もくくっていなかった。もしかしたら横になっていたところを無理に起こしてしまったのかもしれない。瀬川君は相変わらず無表情だが、高熱があるのでやはり辛そうだ。私は店長から預かった薬を差し出した。
「はいこれ、風邪薬」
「ありがとう」
瀬川君はビニール袋を受け取った。はるばる家まで来たが、私と瀬川君の会話もこれで終わりかと思ったが、私は出掛ける直前店長に言われたことを思い出した。
「そういえば、何か食べた?」
私の問いに瀬川君は首を振り、「食欲がなかったから」と付け足した。もう夕方の六時半だが、まさか一日中何も食べていないというのか?
「ちゃんと食べなきゃダメだよ。お粥とかなら食べられるんじゃない?」
「作り方は知ってるけど作ったことないから……」
「じゃあ私が作ろうか?風邪なのに何も食べないのは良くないよ」
私の提案に瀬川君は面食らって断ったが、もう一押しすると私を家に上げてくれた。私は「お邪魔します」と言って靴を脱ぐ。
「ごめん、うちお客さん来ないからスリッパとか無いんだ」
「いいよ、靴下履いてるし」
外見通り玄関もそこそこ広かったが、広々した玄関には靴が二足しかなかった。一足は瀬川君のローファー、もう一足はそれより一回りサイズの大きいスニーカーだ。玄関には靴箱も置いてあったがあまりにも靴が少なく感じたのは、玄関が広いせいか私の家が現在四人家族のせいか。
「台所こっち」
瀬川君は玄関から一番近いドアを開けた。中はリビングのようで、広い台所が備え付けられていた。
「瀬川君は休んでて。すぐ出来るから」
瀬川君はおそらく二階にあるだろう自室に戻るかと思ったが、リビングのソファーに座ってぼんやりしだした。横にならなくて大丈夫なのだろうかと心配した矢先、やはり苦しかったのか崩れるようにソファーに横になった。
私は米と水を火にかけながらさりげなくリビングを観察した。リビングも広々としていて全体的に物も少ないのだが、片付いていないせいで狭く見える。しかし投げ置いてあるものは背広やゴルフ用品などなので、おそらく瀬川君ではなくお父さんが部屋を汚しているのだろう。共働きと言っていたからお母さんにも片付ける暇がないのだと予想した。
次に台所を観察してみる。冷蔵庫はかろうじて卵があるくらいでほとんど空っぽに等しかった。朝から何も食べていないらしいのでお粥に野菜も入れてあげたかったが、野菜室には傷み始めたキャベツが入っているだけだった。この米だってレトルトのものをレンジで温めて使っているのだ。冷蔵庫に何もない反面、台所のごみ箱はカップ麺やコンビニ弁当の容器で溢れ返っていた。
お粥を作っている間に、流しに溜まっていたコップ類を洗う。勝手に皿洗いを始めてしまったが、背後の瀬川君の反応はない。死んでしまったのかと心配になって首を延ばしてみたが、目を閉じて横になっているだけだった。
柔らかくなった米に溶いた卵を入れる。今回は、塩で味付けすることを忘れない。出来上がったお粥を食器棚から取り出した皿によそった。私がリビングに行くと、意識はあったらしく瀬川君が身体を起こした。
「お待たせ。ここで食べる?」
瀬川君が頷いたので、私はテーブルに皿を置きスプーンを手渡した。
「ありがとう」
「味は保証できないけど」
苦笑いしながらそう言うと、瀬川君は一口食べて「おいしいよ」と言った。
瀬川君がお粥を食べ出したので手持ち無沙汰になった私は向かいのソファーに腰を下ろした。食事中の人に話しかけるのもどうかと思ったので黙っていたら、食器が立てるカチャカチャという音だけが部屋に響いて居心地が悪くなった。瀬川君はめったに自分から話題を出すことはないが、無言が居心地悪いとは思わないのだろうか。
食事中の人をじっと見ているのもおかしいし、だからといって辺りをキョロキョロ見回すのも怪しい。私はすでに胃が痛くなってきていた。瀬川君が食べ終わったら帰ろうと思っているのだが、急かすような態度は取れない。
時間稼ぎに無事瀬川家についたことを店長に報告でもしようかとスマホを取り出したところで、家中にピンポーンと高い音が響き渡った。お客さんが来たのだろうか。
瀬川君の反応見るとインターホンの音を完全に無視してお粥を食べていた。先程ほとんどお客さんは来ないと言っていたから、もしかしたら宅配便か何かかもしれない。もしくは新聞の勧誘とか。なんにせよ居留守は良くないだろう。私はソファーから立ち上がった。
「私ちょっと出てくるね」
瀬川君は「別にいいのに」という顔をしたが何も言わなかった。何も言わなかったのは出ても出なくてもどちらでもいいと思ったからなのか、単に口の中にものが入っていたからなのか。
少し待たせすぎたような気もするので小走りに玄関へ向かい、ドアを開けた。すると目の前にはグレーのブレザーを着た女の子が立っていた。何やら驚いたような、衝撃を受けたような顔をしている。この制服は確か、すぐ近くの野洲高校の制服だったはずだ。瀬川君のクラスメイトだろうか。
「え、あ、あの……」
何に驚いているのかなかなか言葉を出せないでいる女の子に、私から声をかける。
「もしかして瀬川君のクラスの人?」
「は、はいっ。今日はプリントを持って来たんですけど……っ」
そう言って手に持っていた茶封筒を差し出す。茶封筒には学校名が書いてあり、けっこう分厚い。プリントの他に何か入っているのだろうか。
女の子が差し出す封筒を受け取ろうとした時、私の脳内に妙案が浮かんだ。私は封筒は受け取らずに、代わりにこう提案する。
「そうだ、せっかくだから上がっていかない?瀬川君今起きてるからさ」
私が閃いた案とは、瀬川君が発動している無言地獄にこの女の子も道連れにしてしまおうというものだ。私にとっては赤の他人だが、いてくれた方が心強い。
しかし私の提案に女の子は予想以上に驚いて、そして変な返事をした。
「え、でも、あなたはいいんですか?」
「私?何で?」
瀬川君の許可を求めるのならわかるが、何故私にそう聞くんだろう。私がした質問への質問に、女の子は少しもじもじしながら答えた。
「だ、だって、あなたは瀬川君の彼女さんなんじゃないんですか……?」
女の子の言葉に私は唖然とした。ま、待って待って、どうしてそうなった!?しかし今日の私の行動を思い返してみると、薬を持ってきてお粥を作り食べている様子を見守るなんて、それは彼女の仕事ではないか?とにもかくにも、私は急いで女の子の言葉を否定することにした。
「ち、違うよ。私はただのバイト仲間。今日は店長に頼まれて風邪薬持ってきたの」
「そ、そうだったんですか……」
両手をぶんぶん振って否定する私に、女の子はホッと胸を撫で下ろした。良かった、なんとか誤解は解けたようだ。
「とりあえず上がってよ。あ、スリッパないんだ、ごめんね」
瀬川君と二人きりだと私が気まずいから、という言葉は飲み込んで女の子を家に上げる。彼女は「お邪魔します」と言って靴を脱いだ。
女の子を引き連れてリビングに戻ると、お粥を食べ終わったらしい瀬川君が怪訝そうな顔をした。私はすかさず用意していた言葉で現状を説明する。
「クラスの子がプリント届けに来てくれたんだけど、せっかくだから上がってもらってもいいよね?」
私の後ろで女の子がもう一度「お邪魔します」と言う。瀬川君は何か悩んでいる様子でしばらく女の子の顔を見ていたが、恐る恐る口を開いた。
「……古之河さん?」
「合ってるからもっと自信持って言ってよ!」
「ごめん……」
何を悩んでいるのかと思ったら、女の子の名前を思い出そうとしていたのか。わざわざ家までプリントを届けに来るくらいだからこの女の子━━古之河さんと瀬川君はけっこう仲がいいのかと思ったが、そうでもなかったらしい。古之河さんはクラス委員とかなのだろうか。
「古之河さん、お茶淹れるから待ってて」
「あ、いえ、お構いなくっ」
手伝おうとする古之河さんをソファーに座らせ、台所へ向かう。私は戸棚を開けて中を見回した。さてと、お茶はどこにしまってあるんだ?瀬川君には薬も飲むからとミネラルウォーターを出したが、困ったことにお茶が見当たらない。私は今度は食器棚の下段を覗いた。中にお茶っ葉を見つけたが賞味期限が半年も切れているので迷わずごみ箱にぶち込む。そのほか煎餅やクッキーなどの賞味期限切れラインナップを見つけたので、ついでにごみ箱にぶち込む。
「うーん……」
食器棚にもお茶が見当たらなかったので次の場所を探そうと立ち上がる。するとすぐ背後に気配を感じたので反射的に振り返った。
「あ、瀬川君……」
「たぶんだけどうちお茶ないよ。コーヒーだったらそこにあるけど」
そう言って瀬川君は隣の棚の上の段に視線を向けた。
「ありがとう。瀬川君寝てなくて大丈夫なの?」
「うん……」
とても大丈夫そうには見えないが、大丈夫かと聞かれればたいていの人はそう答えるだろう。私はなるべく休んでもらおうと瀬川君をソファーの方へ返した。
コーヒーをいれている間から瀬川君と古之河さんの会話を聞いていたが、九割五分古之河さんが喋って、瀬川君が興味のなさそうな返事を一言するというのが続いていた。私はテーブルに二つのコーヒーを置き、瀬川君のコップにはミネラルウォーターをついだ。
「瀬川君、薬は飲んだ?」
お粥の皿の横に風邪薬のゴミが置いてあったからおそらく飲んだのだろうと思ったが、私は念のためにそう尋ねた。瀬川君は案の定首を縦に降る。
私と瀬川君のわずかばかりのやり取りを見ていた古之河さんが、瀬川君でなく私にこう尋ねてくる。
「あの、あなたは……」
「あ、私荒木っていうの」
「荒木さんは、よくこの家に来るんですか?」
「ううん、初めてだよ」
そう答えてから、私も同じことが気になったのでお返しに尋ねてみた。
「古之河さんはよく来るの?」
「い、いえ、私も初めてで。今日は部活もなかったし、私クラス委員だから……」
そう言って瀬川君の反応を窺う古之河さん。しかし瀬川君は私達の会話なんて聞いておらず、眠たそうにぼーっとしていた。
「瀬川君体調悪いし今日はもう帰ろうか」
せっかくいれたコーヒーはまだ半分もなくなっていないが、私はそう切り出した。古之河さんもそれに了承する。私は二つのコーヒーカップを持って台所へ向かった。洗い物をしようとする私に古之河さんが「手伝います」と言ったが、「いつもやってるから」と断った。
「それじゃあ瀬川君、私達帰るね」
「早く元気になってね。学校で待ってるから。お大事にっ」
「ちゃんと寝てちゃんと治すんだよ?仕事は店長にしてもらうように言っとくから」
頭から毛布を被った瀬川君に別れの挨拶をする。瀬川君は私達の言葉に「うん、ありがとう」と言っただけだった。
瀬川家の玄関のドアが閉まり、私と古之河さんの間に一瞬沈黙が流れる。その気まずさを振り払うように私は声を出した。
「古之河さんは家どっち?」
「あ、私はあっちです。永妻なんで」
「じゃあ私と一緒だね。私南鳥だから途中まで一緒に帰ろうか」
私の言葉に古之河さんは頷いた。お互いに距離感がまだ掴めないまま肩を並べて歩き出す。
「古之河さんは普段から瀬川君と仲いいの?」
「そういうわけではないんですけど……。瀬川君口数少ないし……」
「そうだね。私なんて話続かないのに古之河さんすごいと思ったよ」
「私が一方的に喋ってるだけですよ。瀬川君私の話なんて全然聞いてない……」
彼女の言葉に私は不謹慎にも「あ、わかってたんだ」と思ってしまった。瀬川君は自分が興味のない話は右から左だ。「聞いているふり」ですらしない。瀬川君と話す時にそこで心が折れる人多数だろう。
「まぁ瀬川君学校に興味なさそうだもんね。その分仕事にはすごいやる気だけど」
「そういえば、瀬川君って……瀬川君と荒木さんってどこでバイトしてるんですか?」
私はその問いに答えてよいものかどうか一瞬迷った。瀬川君があえて教えていない場合もある。それを勝手に教えてもいいのだろうか。しかし、古之河さんはクラス内でも特別瀬川君と仲がいいわけではないらしい。なら単に言ってないだけで隠しているわけではないのか。
結局、聞かれているのに教えないのもおかしいという結論に至り、私は彼女に瀬川君の職場を紹介することにした。
「何でも屋っていう小さな店なんだけどね。まぁお金をもらうボランティアみたいな仕事なんだけど」
「あ、その店私知ってるかもです。確か野洲寄りの南鳥のあの……二丁目の辺りにある木造ですよね?」
「そうそう。まぁお客さんめったに来なくて暇だから、良かったらまた遊びに来て」
ここで分かれ道に差し掛かった。私は前方へ真っすぐ、古之河さんは右の道を行くようだ。私達はここで別れの挨拶を交わした。
店に帰ると先程私が来た時と同じ体勢で店長が仕事をしていた。彼は私の姿を見て「おかえり」と言う。私は一番カウンターに近いソファーに腰を下ろした。
「リッ君どうだった?」
「普通に辛そうでしたよ。でもお腹は減ってたみたいなんでお粥は全部食べました」
腰を下ろしたものの飲み物を用意することを忘れていたことに気づいてすぐに立ち上がった。台所で二つお茶を淹れて店に戻る。
「そういえば、瀬川君の今日の仕事どうするんですか?店長がやってあげてくださいよ」
「ていうかさっき終わらせたよ」
「マジですか」
「リッ君学校は休むけど仕事は来るとか言い出すから困っちゃうよね」
高熱があるのに仕事に来たがるとはさすが瀬川君。その仕事へのやる気をほんのちょっぴりでも学校の方に分ければいいのに。おそらく瀬川君の高校生活には何の思い出もないんじゃないだろうか。
「あ、そういえば今日瀬川君のクラスメイトに会いましたよ。プリント届けに来たみたいで」
「へぇ。それはちょっと興味あるな。どんな子だった?」
「何かクラス委員で瀬川君とは特別仲がいいわけではないらしいです。ポニーテールで運動部っぽい感じの女の子でした。名前は古之河さん」
私の説明を聞いた店長は、何か考えている様子で「なるほどねー」と言っただけだった。興味があるとか言ったくせにそのいい加減な返事はいかがなものか。せっかく詳しく話してあげたのに。
この日も店長とぐだぐだとくだらない話をしたりファイル整理をしたりして一日を終えた。家に帰るといつもよりしっかりと手を洗った。私まで風邪をひいたら店に店長一人になっちゃうもんね。
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