青春は駆け足で8




「ハァッ、ハァッ、何あいつマジキモッ」

振り返って康介が追いかけて来ないことを確認する麗雷。息を整えて、スクールバッグからケータイを取り出し時間を確認する。

「ちょっと早いけど……バイトに行くか」

そう呟いてケータイをカバンにしまう。今日は文化祭で遅れると言ってあるので、こんなに早く出勤したら店長は驚くだろう。

だが、仕事一筋の麗雷にとって、バイトに行くのは早いに越したことはない。将来は何でも屋で正社員になりたいと考えているほどだ。

麗雷はついさっきまで頭にあった康介の事を忘れ、今自分が担当している依頼の事を考え始めた。







翌日。

「麗雷さん!僕と結婚してください!」

「キモッ!寄るな!お前は男版花音かッ!」

高校三年生の文化祭をきっかけに、麗雷の学校生活は一生思い出に残るようなものに変わるのだが、それはまた別のお話。




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