第3話 待ち合わせ  

見て下さっている方々、ありがとうございます。

はじめまして、富士松でございます。


まだ3話目ですが、見切り発車で始めてしまった手前、この先いつ投稿が止まるとも分からないので挨拶をしておこうと思いました。


かなりの飽き性で、投稿自体も初めてなもので、所々見辛いところや誤字、辻褄が合わないところ、「タイトル詐欺じゃねぇか!」と思われることがあるかもしれません。アマチュアな作者なため「このレベルか」と感じられると思いますがご了承下さい。

ほぼ妄想垂れ流しの作品ですが、1人でも楽しんでいただける方がいるのなら幸いです。


これからもよろしくお願いします。




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 電車に揺られること約30分。目的の場所にたどり着き、今俺はベンチに座っている。


 暑くなってきたこの時期には嬉しい噴水が各所に点在していて、小さい子たちがキャッキャと遊んでいる姿もチラホラ。前方にあるアーケードを囲うように色々なお店が入っている大きなショッピングモールが俺の前に佇んでいる。


「にしても、やっぱりデカいよなぁ。1日あっても回り切れるか怪しいぞコレ」



 初めて訪れたが、予想以上にデカかった。俺たちの通う高校の最寄駅からそれなりに時間がかかるとはいえ一本で行けるので学校帰りに寄る人も多いらしい。

 俺?来たことありませんよ…もちろん……


 ていうか今この状況ですら周囲から若干浮いてる気がする。周りカップルとか親子連ればっかりだし。

 もちろんこのまま1人で買い物をするために来た訳じゃない。今日は土曜日、宮代と約束した映画やら買い物やらをするために来たのだ。来たのだが……


「遅っそいアイツ!!」


約束の時間は午前11:00。そして現在の時刻11:30。携帯に連絡しても既読すらつかないし。


「…事故とか…じゃ、ないよな……」


 最悪のケースを思い浮かべた途端、さっきまでの怒りが嘘のように、サーッと血の気が引いていくのが分かる。


 ま、まず電話してみないと。

 そう思いポケットからスマホを取り出して画面をタッチしていると声をかけられた。


「お兄さん。一人?」

 

「へ?」


 若い女性2人組が話しかけてきた。いかにも今どきな雰囲気で、一人は糸目が特徴的でもう一人は髪とかふわふわしてる。やだ、俺の語彙力低すぎ……


「ウチら2人だけとか寂しくてさ、お兄さん暇なら一緒に遊ばない?」

「お兄さんいい感じだし、私結構タイプなんだけど〜!」


 いや、知らんがな。なに、イジメか何かですか?こちとら今一人で寂しさというか虚しさに苛まれてるんですよ?


「ごめんなさい。待ち合わせしてるので」


「彼女?」


 ちゃうわアホ。でもここで違うとか、男友達とか言うと食い下がってきそうだし…コクリと頷く。


「えぇ、それなら絶対ウチらとの方が楽しいって。それにお兄さん1時間くらいずっとここいるよね?」


 え?引いてくれないの?


「うわぁ、可哀想⁉︎ なになにすっぽかされちゃった感じ〜!?」



 確かに着いたのは1時間前だけど、別にすっぽかされてはない。アイツ理由もなくそんな事しないし……え、てかアンタらいつから俺のこと見てたの?怖っ。


「そんな女よりさ、ウチらと行こうよ」


 そういうと、糸目女は俺の隣ににじり寄るように座ってきた。そしてあろうことか腕まで絡みつかせてくる。


「ちょっと、やめて下さい…!」


 鳥肌がゾワっと立ち、俺は咄嗟に立ち上がった。


「いいじゃんいいじゃん!!こんないい男との約束破るようなバカ女のことなんて忘れちゃお?」


……あ゛?今なんて言った?


 今度はふわふわ女がいかにも脳味噌が足りてない口調で聞き捨てならないことをぬかしてきた。こっちが、穏便に済ませようとしてんのにネチネチしつこい。


 そろそろ、本当に宮代が心配になってきたので、少し強めに対応するしかない、

 

 と、思ったときだった。


 「ごめん優希、待たせたね」



 待たせすぎ。


 遅れてるっていうのに別に息切れもしてない、いつも通りだけど初めて見る私服の宮代が現れた。


「あ、あれ彼女さんかな?」

「え⁈すっぽかされたんじゃなかったの⁉︎」


 だから別にすっぽかされたなんて一言も言ってないし。

 

「彼女??」


 てか、宮代が来る前に巻こうとしてたから、どうしようかな……仕方ない。


「お、遅いぞ〜晶!? 心配したんだからなぁ!」


 分かってもらえるように恋人っぽいフリをするため、宮代の手を握って、合図としてウィンクをする。

 気付けよ…気付けよ……!!


 一瞬宮代は訝しむように目を細めたが、あからさまなウィンクに何かを察したようにクスリと笑う。


 「あぁ、バカ女に代わって、彼氏の相手をありがとうございます」


 さっきまでの聴いていましたよ、と言わんばかりの発言に、女どもは「うっ…」と苦い顔をした。


 宮代のナイスな切り返しに俺がクスクス笑ってると、今度は俺に目を向けた。


 ん?何?


グイッ、ギュッ


 

 そしてこのバカはなにを思ったのか、あろうことか俺の腰に手を回して抱き寄せるように密着してきた。

 

 誰がそこまでやれと言ったぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛‼︎‼︎


「うっわ大胆」

「なに!見せつけられてんのあたしたち⁉︎」


(おま⁉︎何やってくぁwせdrftgyふじこlp⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎)


 声にならない悲鳴をあげそうになるが何とか堪えた。後で絶対殴るコイツ……!!てか力強っ!!


「彼氏のエスコートは私が引き受けますので、お姉さんたちは私たちにお構いなくお買い物、楽しんで下さいね」


 最後に、俺の下手くそとは比べ物にならないウィンクを女どもに向けた。


「…彼女……彼氏?」

「は、はいぃ……」


 高い顔面偏差値から繰り出されるウィンクの暴力にノックダウンされたふわふわ女。へなへなして倒れそうになるのを糸目女に支えられながら、そのままその場を離れていった。

 てか、誰が彼氏や。彼女(偽)だって言ってんだろ。


 演技の必要がなくなったので、宮代から体をそっと離す。


 「ふぅ、行ってくれたね。優希大丈夫だったかい?」


 「遅刻した上連絡すらよこさないし、おまけにいらないアドリブまで入れてきやがってこの野郎……」


「ん?優希?」


 幸い映画まではまだ時間がある、それまで適当にぶらつくつもりだったけど、予定変更だ。

 少しの時間だけ……



「説教してやるからそこ座れ!!」






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