疾風のごとし

【災害種:現在トモヤ達が転生した惑星の外、コンゴベアルなどの宇宙に生息する魔物は非常に強い。だが。この四体を災害種という。】


さてオークロードの戦いから数週間たった。リュウジはエイハブ山脈で戦いに明け暮れている。進化すれば人に近くなれる可能性が有るからだ。

リゼはエイハブ山脈全体を探索したが別世界の扉は見つからなかった。

そして俺はというと……


「加速!加速!!加速!!!」


何故こんなことをしているのかと言うと……


「加速使えのか?なら極めた方がいいぜ。適性があるやつは時魔法を獲得出来るからな。」


冒険者の助言により加速を極めることにしたのだ。


「うおおおぉぉぉ!!!!!」


この世界に来てから毎日のように魔力を鍛えている。だがまだ足りない。もっと、もっと速くするんだ!!


《熟練度が一定に達しました。スキル『加速(レベル3)』が『加速(レベル4)』に上昇しました。》

《熟練度が一定に達しました。スキル『加速(レベル4)』が『加速(レベル5)』に上昇しました。》


「よしっ!さてとこのままエイハブ山脈まで行ってみるか!」


実際街からエイハブ山脈までは240kmくらいあった。普通ならば一日かかる距離だ。だが今の俺には余裕だ。


「……流石に疲れたな。」


加速を発動してから一時間程持続出来るようにはなった。だがまだまだ燃費が悪いし集中力がいる。戦闘中では十五分発動し続けるのが限界だろう。


「あ!湖だ!休憩するか。」


エイハブ山脈の麓に巨大な湖があった。


「魚いるかもな。」

「キュイ?」


リザンテを荷物を任せて水を覗く。釣り道具など無いので素手で捕ることしか出来ないがやってみるか。


「よっと、おっとと…」


意外と難しいな……


「ん?あれは……」


湖の底に何がいる。


「エビ?」


それは50mはある巨大海老だった。


「うお!こっちに来た!?」


巨大海老はこちらに向かって突進してきた。


「くっ!…………ってあれ?」


巨大海老は俺の横を通り過ぎていった。


「どうしたんだよ?え?」


巨大海老は俺ではなく、20mくらいある川獺かわうそに襲いかかっていた。


「何だあいつ?」

「ギャーッ!」


近くにいたゴブリンが戦闘に巻き込まれていた。


《エルドシュリンプ︰川や湖などに生息する大型の海老魔物。ライバルであるエルドオオウソと死闘を繰り広げる。》

《エルドオオウソ︰肉食性の凶暴な大型の川獺魔物。縄張り意識が強く、エルドシュリンプと常に争っている。》


「うわぁ……」


あのサイズの海老と戦うとか正気じゃないだろ。


「キュイ?」

「いやリザンテ…流石に無理だからな……」


どう見てもオークロード級です。本当にありがとうございました。


「とりあえず逃げようか。」

「キュー!」


リザンテが肩に乗り、俺は走り出した。


「はあっ……はあっ……ここまで来れば大丈夫だろ。」

「キュイー」


湖からかなり離れた所で座り込んだ。


「流石に腹が減ったな。リザンテなんか食べるか?」

「キュイ♪」


俺は荷物の中から乾燥させた緑色の果物を取り出した。


「なかなかいけるだろ?」


リザンテは果物を美味そうに食べ始めた。


「今日は帰るか…それとも探索を続けるか…」


どちらにしても加速を極めることが重要だ。


「もう少し頑張ってみるか。」

「キュイ!」


一人と一匹は山道を駆けていく。


《熟練度が一定に達しました。スキル『加速(レベル5)』が『加速(レベル6)』に上昇しました。》


――――――――――――――――――――――――――

現在のステータス

生命力:B

魔 力:C

体 力:C


攻撃力:B

防御力:C

魔力攻:D

魔力防:D

走 力:B


現在使用可能なスキル

●身体、精神、霊魂に影響するスキル

『旋律』音や歌声を響かせ、自分や他者に影響を与えるスキル。

『鑑定』情報を調べ、表示するスキル。※現在表示できる情報は全情報の10分の1である。

『簡易演算(レベル1)』簡単な計算を解きやすくし、記憶力や思考力を高める。

『仮説組立(レベル2)』考察によって生まれた仮説を組み合わせて信憑性がある考えを導き出す、また記憶力や思考力を高める。

『解読』文や言語を理解するスキル。

『敵意感知』近くにいる人族や魔物の敵意を感知するスキル。

『加速(レベル6)』身体の速度を上昇させるスキル。

『大蛇の育成者』タイタンの幼体を育てる者、レベルアップ時にタイタンのスキルを獲得することがある


●技術

『解体技術』解体の技術を高めるスキル。対象はモノだけではない。

『加工技術』加工の技術を高めるスキル。

『貫槍技術』貫通に特化した槍の技術を高める。

『斬槍技術』斬撃に特化した槍の技術を高める。


●耐性

『寒冷耐性(レベル4)』寒さを和らげて、活動しやすくする。

『苦痛耐性(レベル4)』痛みを和らげて、活動しやすくする。

『毒耐性(レベル1)』毒を弱体化させて、活動しやすくする。

『爆音耐性(レベル2)』音のダメージを和らげて、活動しやすくする。


●魔法

『火魔法(レベル3)』火を操る魔法。

『水魔法(レベル1)』水を操る魔法。

『風魔法(レベル1)』風を操る魔法。

『生活魔法』モノを綺麗にしたり、簡易的な回復を行う。


●加護

『死者の加護』死した者から生きる者に与えられる加護。

『象兵の加護』ヤコバクから異種族に与えられる加護。

『大蛇の加護』タイタンから異種族に与えられる加護。


現在の持ち物

銀の槍(緑王):ヴィクター・アガレスの槍。オークロードの額にあった宝石の欠片で強化し緑王という名前が刻まれた。

冒険者カード:名前、性別、年齢が書かれたカード。特殊な魔法道具が使われているため個人を特定できる。

毛布:ハウンドの皮をつなぎ合わせた物。粗末だが、トモヤがこの世界で初めて作ったもの。

黄色の水晶:エレノアからのプレゼント。微かにオーラを感じる。

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