第10話 曇天とおわり?
あの屋上の日から一週間の日がたった。その一週間は特に何も起こらなかった。
しいて言うなら、彗星がらんと仲良くなったことくらい。あの二人は毎日ラインするくらいには、仲良くなったくらい。一応彗星も柱の一つにはなれたことでいいだろう。あと、あれから放課後に彗星と報告会を開いている。昼休みは、友達と過ごしたいからパスらしい。放課後は部活があるが、何とかして遅れたいらしい。
あの先輩がいるのと、後輩からキャーキャー言われるのがめんどくさいらしい。
この間、アイドルも大変とか呟いてた。調子に乗るな
「もう心配はいらないかもね」
「確かに俺もそう思うが、油断は禁物だな」
「え~そうかな~ ってあれらんちゃんじゃない!?噂をすればなんとやらって奴!
おいかけた方がいいんじゃない?」
「ここ屋上だぞから追いかけても無理だな多分。」
「え?でも泣いてたよ!ほんとに大丈夫なの?」
「嘘つけ!ここ屋上だぞ。よくわかったな。」
「視力はAだからね。わたし追いかけてくる。」
そう言い、瞬く間に屋上から消え去った。忙しい奴め。俺も急ぐか。
案の定、俺が陸上部に追いつくはずもなく日も暮れてきたため、先に帰宅することにした。結局、彗星も追いつかなく帰宅したらしい。らん大丈夫かな。俺何もしてないな。そんな虚無の状態に入ったまま、夢の世界に
ジリリリリリリリリリ
枕もとで、目覚まし時計が鳴った。眼をこすりながら、一回に降りる。
「おはよ~」
俺はあくびをしながら言った。
「ちょっと話があるんだけど。」
朝から深刻そうな顔で母親が言ってきた。
「ん~どしたの?」
「星宮さんのおばあさんが先日亡くなったって。」
その事を聞いた瞬間、一気に目が覚めた。まずい、想定しうる最悪の事が起こった。俺はすぐさま、自分の携帯をとり彗星に電話を掛けた。
「なに!こんな朝早くに。忙しいんですけど。」
「緊急事態だ」
彗星にありのまま全て起きた事を説明した。
「取り敢えず連絡するから、そっちはらんちゃんの家に行ってみて。」
「分かった。」
俺は、すぐに家を飛び出しらんの家に向かった。くっそ毎日運動しとくんだった。
走りながらそう後悔する。
「もっと速く動け俺の脚!お前の後輩が命を絶とうとしているのかもしれないんだぞ。」
自分自身に言い聞かせ、らんの家へ向かう。まだなのか、俺の体力が底をつきそうになった時、らんの家が見えた。ほぼない体力を使い果たし、家に着いた。インターホンを押す。
「はーい」
らんのお母さんの声が聞こえた。
「こんな忙しいなかほんとにすみません。宇津木です。らんさんはいらっしゃいますか?」
「あら~久しぶりね。らんならもう家を出たわよ。なにか急ぎの用事でも?」
「いえ、すみません。大丈夫です。失礼します。」
家にいないのは予想外だった。ならどこに?必死に考えたが、答えにはたどり着きそうにもなかった。
プルルルル
「あ、もしもしりんどう?どうやら普通に学校に向かってるみたい。おばあさんのことは気の毒だけど、おばあさんの分まで生きてくって決めたんじゃない?」
「そっか。杞憂だったか。そうだな、あいつも昔のままじゃないもんな。悪いな、彗星。」
「いいわよ、別に。でも、命の事に関しては一件落着ね。後は、いじめの事だけど、これは今日の放課後にでも話しましょ」
「ああ、そうだな。一件落着か。」
そう言い、見上げた空は曇っていた。
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