第3話 親友とルール
「みんなーおはよー!」
私は勢いよく教室のドアを開け、元気よくクラスメイトに挨拶をした。りんどう君と出会ってから1週間。
話しかけにいこうと思ってたけど、同じ学校にいるのに中々会えなかった。りんどう君のクラスにも行こうと思ったけど、流石にりんどう君に迷惑かなと思って辞めた。はぁ〜もっと話したい事あるのになぁ。
そんな事を考えつつクラスの自分の席に座った。
「らん~古典の予習やってきた?」
私の左隣に座っている、とっても可愛くて、頭もよくて、高校生になってから初めて話した子、
「ふっふっふー私がやってきたと思うかね?」
「やってきてないだろうから、ノート貸すために話しかけたんだよ」
「え?天使か何かですか?」
「おい、心の声漏れてるぞ。とりあえず早く写しなよ」
私たちがくだらない会話をしていたら、一時間目開始のチャイムが鳴った。
一時間目 化学 二時間目 世界史 三時間目 古典 四時間目 日本史という地獄の日程を私は頑張って耐えた。しかしなぜだろう、授業内容の記憶がほぼない。
ってかやっとお弁当の時間だ!!このために、午前中頑張った。
「はやくたべよー」
私はせかすように、りらちゃんに話しかけた。
「はいはい、言われなくても、らんと食べる予定だったよ」
私たちは、いつものように机をくっつけお昼を食べた。食べ終わった後、りらがこの前の事について問い詰めてきた。
「そういえば、この前一緒に部活動見学した先輩とは何かあったの?」
「ん?いきなりどしたの?」
「え?だってらん、あの先輩と付き合ってるんでしょ?みんな噂してるよ」
まさかの回答に、私は勢いよく立ちあがった。座ってた椅子が音を立てて勢いよく倒れた。クラスのみんながこっちを見てニヤニヤしていた。
これはちゃんと説明して誤解を解かないと、りんどう君に迷惑がかかっちゃう。
「ち、違うにきまってんじゃん!ご、誤解だよ」
私が必死に否定しても、みんなは「またまた~」「恥ずかしがっちゃって」などと小声で言っていた。ごめん、りんどう君。もう無理だ。
「なんだぁ、付き合ってないのか。つまんないなぁ」
りらがそう呟いた。
それに驚いた私は、思わずりらの手を握り言った。
「え!信じてくれるの?」
そう言うと、りらは呆れながら私に言った。
「当たり前だろ。そこらへんの噂より、親友が言ったことを信じるよ」
その言葉に感動した私は思わず、りらに抱き付きながら
「りら~大好き!!!」
そう叫ぶと、りらは落ち着いた声で
「はいはい、次の授業、移動教室だから早く行くよ」
「はーーーーーーーい」
私は元気よく返事をした。午後の授業は特に何もなかった。そして、あっという間に放課後になった。
「おい、一年は先輩のドリンクとか少なくなったら追加してくるんだよ!」
三年生の先輩が一年生に向かって怒鳴った。
陸上部に入って思ったことは、上下関係厳しすぎないってこと。
廊下で先輩とすれ違う時挨拶をする。先輩のもので不足していたりするものは、先輩に譲らなければならない。まぁここまでは普通だと思う。しかし、先輩のSNSの投稿などには、一分以内にいいね!をしなければならない。電車などで会った時は席を立ち、先輩に譲る。などの謎のルールがいっぱいある。おかげで、ご飯食べてる時や、お風呂に入っている時もスマホをそばに置いておかなければならなかった。
私はこのルールにうんざりしていたが、これも自分のためと思って、頑張っている。あと一か月で、大会に出場できるメンバーを決めるタイム測定がある。私の目標は一年でレギュラーをとることだ!そのために頑張るぞー。私は気合を入れ、自分の頬を叩いた。そして、すぐに一か月がたち、タイム測定の日がやってきた。
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