第2話 えんりょと思い出
「ただいまー!」
私は元気よく家の扉を開け言った。
「もう、そんな勢いよく開けたら壊れちゃうでしょ。お風呂湧いてるから入っちゃいなさい。」
「はーーい」
雑に返事しつつ、服を脱ぎ、お風呂のドアを開けた。
一通り髪と身体を洗った後湯船につかった。そして、湯船につかりながら今日の出来事を振り返った。
「まさか本当にりんどう君と再会できるとはなぁ~」
そう言いながら目をつぶり、私は小学生の時を思い出した。
私は小学生の時、髪も長くて性格も今程は明るくなくさらに、遠慮という言葉を知らない子だったので、クラスの中心にいるような女子にいじめまでとはいかないだろうけど、意地悪をされていた。まぁ、私が悪かったんだけどね。
それで、意地悪されるのが限界に達してしまった私は、登校中に泣き出してしまった。その時班のみんなは困ってたんだけど、唯一班長だったりんどう君は、副班長の子に班を任せて、その場で私の話を聞いてくれた。その時私が何を言ったかは覚えてないけど多分、家に帰りたいみたいなことを言ったと思う。そしたらりんどう君は、私を家まで一緒に送り届けてくれた。家に着くまでも、ずっと慰めてくれた。
そして家に着いて、親を呼んでくるからって言ったら確かりんどう君は、
「学校に遅れちゃうから大丈夫だよ。あと、俺はいつでもらんの味方だから安心してね。なにかあったらすぐこの俺に言うんだぞ。それじゃあ」
こう言ってくれたんだよね。その時の「俺はいつでもらんの味方だ」っていう言葉が、すっと私の胸に入ってきて、今までの恐怖とか不安を浄化してくれて、その日からは登校中に泣き出すこともなくなり、性格がとっても明るくなり意地悪されることもなくなった。この時に遠慮という言葉を学んだから、中学でも特になんもない幸せな日々を過ごすことができた。だけど、私はありがとうって伝えられずにりんどう君は卒業して、私は引越ししちゃったから、それが心残りなんだー。
だから私は、りんどう君が通ってるらしい高校を受験したんだ。中学の時は、バカだったからあの時は大変だったな~ だからこそ、今日、高校でりんどう君を見つけた時はものすごくうれしかったな。りんどう君は、あの時私に言ってくれた言葉を、覚えてるかな?覚えててくれたら嬉しいな。そう私が、過去の思い出を振り返ってたら
「はやくでなさい!次が詰まってるの!」
お母さんの怒ってる声が聞こえた。ふ~私は一息つくと、勢いよく立ち上がり、
「ぜったい陸上部で活躍して、先輩を振り向かして青春しまくるぞ!」
高校での目標を叫んだ。
「うるさいっ!」お母さんの怒鳴り声が聞こえた。
お風呂から出て、夜ご飯を食べた後、色々あって疲れたのかすぐ寝てしまった。
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