蛙手の花

詩乃ルチア

第1話 部活とこーはい

みんなは部活というものに入ってた事はあるだろうか?多分ほとんどの人が中学高校とやっていたと思う。しかしこの俺、高校二年生の宇津木鈴燈うつぎりんどうは青春のピークともいえる今の時期に部活に所属してないのだ。そして今その部活のことで職員室にきているのだ。 

「あのなぁ、二年で部活に所属してないのはお前だけだぞ。今一年が部活動見学やってるからお前も参加してこい。」

 俺の意見を聞かずしてプリントを無理やりもたせられ職員室から追い出された。

「めんどすぎる」

 俺はそうつぶやき、陸上部やサッカー部などが活動しているグラウンドに向かった。

 さすがは陸上部、男子から女子まで多くの一年生がいた。そんな中、二年は俺一人普通に恥ずかしかった。おい、そこの陸上部二年俺を見て笑うな。

 陸上部のアイドルともいえる人が走り出した。それを見ていた一年生からは歓声が上がった。さっき俺を見て笑った奴と一緒かよ。そう心の中で突っ込み、陸上部を後にしようとしたとき

「さてはりんどうくん?」

 一年集団の中にいた一人の可愛らしい女の子が走ってきた。

「あ!やっぱり、りんどうくんだ!わたしだよ覚えてない?」

 やばい、ほんとに思い出せない。そう俺が焦っていると

「うそー!ほんとに忘れてるの?私だよわたし!小学生の時一緒の登校班で君が卒業と同時に引越しした」

 思い出した、しかし会うのは三年ぶりでしかも変わりすぎている。ロングヘアーがショートヘアーになってるし、胸も成長している気がする。確か名前は

星宮ほしみやらん」

 俺がそういうと

「正解!けど、おそいよーてか、りんどうくん二年生なのに何で見学してるの?部活動の特徴書くプリント全くかいてないじゃん!なんで?もしかして陸上部が最初?なら一緒に見学しない?」

 いきなり質問のマシンガンが俺に向けて放たれた。

「見学してるのは帰宅部で先生に怒られたからだ。見学なら友達とやってくれ。俺は適当にプリント書いて提出するから」

 俺がそういうと、らんはほっぺたを膨らませて

「いやだ!一緒に見学しよ!はやく!」

 そういいながら俺の腕を無理やり引っ張り歩き出した。

「まぁ、どうせ暇だしいっか」

 そうため息まじりにいうと

「そういうとおもった!」

 満面の笑みでそういった。

 それから、らんと全部活をまわった。各部活で俺は絶対二年の人たちに笑われた。

 そして下校の時間になった。

「りんどう先輩は何部に入るの?」

「なんでいきなり先輩って呼び出したんだ。まぁそれはおいといて、俺は天文部かな部員一人で、しかもその部員が俺の親友だし。らんは何部に入るの?」

「私は陸上部!中学の頃もやってたからねーあ、やばい電車きちゃう!私はこれで!じゃーねー今日はありがとーあ、先輩呼びをしたのは先生に注意されるかと思ったからだよ!敬意とかはないからね」

 そう走りながら言い颯爽と去っていった。さらに最後の言葉地味に傷ついた。

 それから何もないまま二か月の時が過ぎた。二か月の間らんのことだから毎日話に来るかと思ったが部活が忙しいのか一言も会話しなかった。

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