第10話 図書館の歴史
突拍子もない回答に目を白黒させる。35憶年前なんて人類さえも生まれていない遥か昔だ。そんな時から文明があったなどと……
どういう意味なのだろう。宇宙人でも住んでいたのだろうか。
「さぞ驚かれたことでしょう。私も最初に聞いたときは自分の耳を疑いましたからね」
「ということは、フェイさんも元々此処の住人ではないということですか」
「ええ、そうですよ。その話は追々していきましょう。さて、話しを戻しましょう。地球上で初めて知的生命体が生まれたのは35憶年前なのです。
そこから私が生きていた時代、あなたが今生きている時代のように、人類は成長を重ね文明を築いてゆきました。しかし、資源が枯渇しています。よくある話ですね。
そして、人口は刻一刻と数を減らしていきました。あわや絶滅、というところであなたの世界でいうところの宇宙船を完成させます。そして、生き残っていた数少ない人々はその宇宙船へ乗りあてどなく宇宙という広い世界へ旅立ちました。
他の星へ行けば生きられるかもしれないと考えたからです。そこで偶然彼等はワームホールに遭遇し太陽系とは全く異なった銀河系へとワープすることに成功しました。
そこは、彼等よりはるかに発達した知的生命体が住んでいたのです。高度な文明力を持つ異星人は彼らを助けることにします。今で言う難民という扱いで招かれた彼らは多くの知識を得ました。
その中で、惑星では文明は生まれは消え、生まれは消えというサイクルを繰り返すものということを学びます。
ある高度に達した文明はこの事実に気付き惑星につき一つの図書館を建設し記録し続けるという常識がある、ということも知ります。
そして、最初の地球人は異星人たちの力を借りて此処、地球図書館を建設したのです」
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