第3話 あらわれる遺跡
突如ただの海底に思えた、岩肌の全貌が見えてくる。正五角形を基本とした構造に尖塔が各頂点に聳え立っているのだ。
耐圧耐水の端末を掲げ入り口がどこにあるかを調べる。父は実地調査こそ出来なかったもののありとあらゆる文献を調べ上げその成果を残してくれた。その中には地図もあったためそれを基に潜り進んでいく。
入り口には、狛犬のように左右に八咫烏の如く三本足で一つ目の鳥の石像が置かれている。扉があったであろう位置には何もなく、ただ暗闇が大きく口を開けているようにしか見えない。ヘッドライトをつけ、中へと進んでいく。左右に壁画らしきものがうかがえるが、長年水中にあるためか苔むし塗装も剥げ落ち何が描かれていたか判別することはできない。
廊下らしきを進むと、行き止まりへとたどり着いた。そこは扉が閉まっているという感じではなく本当の行き止まりだった。しかし地図上では、幾ばくも進んではいない。しかも、この先には円形状の大部屋があるはずだ。
どうすればよいのかと思い、無作為に壁をぺたぺたと触っていると手が沈む感覚がした。と思うと、下方向への流れを勢いよく感じたのもつかの間、突然凄まじい勢いに呑まれ上下左右もわからずどこかに流されていった。
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