第9話 ダンジョン無双

「全く手五体無しの。」


蹴り蹴りパンチパンチの繰り返しで

モンスターをグシャグシャと倒して行った。

11階に上がってから順番でモンスターを

倒す事になった。

そして最初はラミージュがモンスターを

倒す。


「全然手五体ないの!!!!」


「ジャンケンで負けたんだから

仕方ないですよ。ふふ」


ラミージュは頬を膨らまして不満げに

モンスターを拳で倒して行った。

ワンパンでモンスターをズバズバと

まるでシャボン玉に触って割るような感覚で

倒して行った。


「もぉーダメなの倒せないの。」


「まだ5階残ってるよ。」


「だって強いのがいないんの。」


ラミージュは敵が弱すぎて疲れていた。

しかし15階を超えてから敵が少し強なっていたのだ。

だが強すぎるラミージュからしたら

全く変わらない程度だった。


「ほらっ!!次で20階だぞ。ほらほら」


「やめてよカミージュ。

私の戦いが終わっちゃうの〜。」


カミージュがラミージュの背中を押して

20階に行かせた。


「分かったの。やるの私!!!!」


「いやっ当たり前だからな。」


「ふふふ」


「まぁまぁ俺が戦う時になったら

一緒に戦おう。」


「────お兄ちゃん。」


ラミージュはキラキラと目を輝かし

俺を見た。

妹にいい事をして俺は何かいい気持ちだった。

・・・・・・かわいい。


「じゃあ今一緒に戦って

・・・・・・くれるの?」


「まじで?一瞬で終わるよ。」


「一緒に魔術を放ってくれるだけで

良いから頼むの。」


俺が本当に良いか了承すると直ぐに

「お願い!!!!」と即答をしてきた。

とてもとても嬉しかった。

妹に「一緒に魔術を放って」て言われたから

飛び切り最強の魔術を放ってやるよ!!!!!!!!!!!!!!!!


「よしっ!!あれがモンスターか。

なんか前までのモンスターよりも大きくね?

そして黒くね?」


「確かに何か強そうなの。ジュルリ」


「一応一撃入れてみていいか?」


異様だった。

今までのモンスターとはまるで違う変なオーラ

を俺は感じ取った。

しかも大きい割に体ががっしりしていて

明らかに強そうだ。


「ラミージュ分かるか?

あいつから出ているオーラを感じ取れるか?」


「うん!!感じ取れるの。

魔晄察知眼(オーラディテクトアイズ)」


オーラとは魔力が体から溢れ出る『魔晄』

というものである。

その魔晄(オーラ)は特に

目、口、耳、鼻、体全体の魔晄感覚器官で

感じ取れる。

弱いオーラだと悪い感じな

色、味、音、臭、気持ち悪い感覚(魔術を扱っている者によって違う)

強いオーラはその逆。

そしてオーラは全ての魔晄感覚器官で

感じ取れる訳では無い。

ラミージュは目と口で感じ取れるだろうが

目で感じ取る方が得意らしい。

魔晄感覚器官は鍛えられる

だが鍛えすぎると弱い魔力の相手に弱くなる。


「確かに真っ白で綺麗な魔晄(オーラ)だのね。

強そうなの!!!!!!ジュルリ」


俺を見た時よりラミージュはモンスターを

キラキラと目を輝かして見た。

ちくしょう絶対あのモンスターぶっ殺す。


「良かったですね。ラミージュふふふ」


「私もおにぃと戦ってもらおうかな?」


アミージュとカミージュは少し羨ましそう

俺とラミージュを見ていた。

だが自分達も同じ事を行ってもらおうと

考えていたらしい。


「じゃあ攻撃するぞ。」


「うん!!おにぃ。」


俺は早速軽い飛び蹴りをモンスターに

喰らわした。


「・・・・・・。」


今までのモンスターはしなかった防御をした。

だが少し吹っ飛んだ。

しかも生きている。


「まぁ軽くだからね。

おい!!!!喋れんだろお前!!!!!!!!!!!!」


「そうなの?おにぃ。」


「・・・・・・ふっ!!!!気づいたか。」


と黒いモンスターの顔から口が出てきて

喋った。


「で、お前は何もんだ?」


「俺は寄生魔獣だ。

それでこの体を借りている。

特に名前は無い。

だから一応『ニューム』と呼んでくれ。」


ニュームは何か軽いヤツだった。

いかにも強いっていう感じでは無かった。

でも良いオーラが感じ取れている。


「あんたと戦うの。

だからあんた本気出してくださいの。」


「当然。俺一人では倒せなさそうだ。」


「そうか。だからお前に沢山のオーラが

集中しているように見えるんだな。

そして段々綺麗になっていく。」


白いオーラから赤いオーラに変わった。


「※グレテン級か。」


※グレテン級

・・・・・・オーラの色で『TSCR略してTS』によって12段階で強さが分かれている。

その中でグレテン級は5番目に強い。


「うん。まぁまぁなの。

正直私1人でも倒せるの。」


「だろうな。

でも俺はラミージュと戦いたい。」


俺はがっしり構えてニュームを待った。


「さぁ」「「かかってこい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


「安心しろ。あと30秒くらいで終わる。」


30秒もがっしり構えているのも

バカらしく思い一旦楽にした。


(今だ。)「隠形移動(ステルス)」


「なっ!?」


「っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!危ないの」


「ギリギリで交わしたか。」


交わしたと言っても凄いギリギリで

少し当たりそうだったのと俺を狙っていた。


























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