(二)―11

「どうしてだね」

「近田に預けていたんですが、使い道はあるかと思いまして」

「大丈夫なのか。小僧たちは刑事の家族をやったそうじゃないか。そうなるとお前にもサツの手が及ぶかもしれん」

「それにスパイの件もある。潜入捜査官をやったんだ。奴らは俺たちの所にも来るだろう」

 道上が梶田と横尾の両方に視線を投げた。

「スパイを殺したのは小僧だ。刑事の家族をやったのも小僧だ。スパイの方はともかく、昨日の事件は俺たちには関係ない。そうだろう。だから、一連の事件、全て小僧に被ってもらおう」

「それで上手くいきますかね」


(続く)

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