第371話 儀式

装備品が届き俺は儀式の用意をする。

「リョウこれは?」

「地脈の力を集める儀式だよ・・・よし、出来た。」

「さすがリョウさまです、陰陽道の秘技もお知りになられているのですね。」

「ばあちゃんから仕込まれてね、ってサエちゃんなんで来てるかな?」

「リョウさまのこの道具を保管していたのは、テルさまから預かっていた、我が家ですよ。

リョウさまがお使いになると聞いて持ってきました。

あと、アキラ様からこの刀をお預りしてきました。」

俺はサエから刀を受けとる。


「結構な業物だけど・・・じいちゃん何か言ってた?」

「あやかしの類いを斬るならこっちの方が良いとの事でした。

神社に奉り、清めた物です、どうかお使いを。」

「ありがとう、一応受けとるけど、今回は戦闘はない予定だよ。」

「それでも備えは大事です。」


「お兄ちゃん、この人だれ?」

リナはサエを不振な目で見ていた。


「この子はサエと言って、俺のお茶の師匠の娘さん・・・」

「リョウさまの婚約者です。」

俺の言葉を遮るようにリナに伝える。


「お兄ちゃんの婚約者はお姉ちゃんだけだよ!」

「リナちゃん、私はテルさま、リョウさまのお婆様がお認めになってくださいましたから。」

「おばあちゃんが・・・」

リナもばあちゃんには弱かった、昔から礼儀作法を仕込まれた事で頭が上がらない存在だった。


「はい、ですからリョウさまの妹である、リナちゃんとも仲良くしたいと思っているのですよ。

よろしくお願いできませんか?」

「うん・・・でも、お兄ちゃんと結婚は認めないもん。」

「それはいずれの話ですから、今は仲良くしてくれるだけでいいんです。」

サエとリナが挨拶を交わしている中、


「リョウ!準備が出来たならさっさとやろうぜ!」

ヒロキが急かしてくる。


「そんなに急かすなよ、どうせこれだけの施設を動かす地脈を集めるに時間がかかるからな、少しぐらい話してたって変わらないよ。」

「それでもだ!お前には心が沸き上がる物がないのか!」

「?全然?」

「あーなんでロマンを理解しないんだ!!」

ヒロキは頭を抱えていた。


「さて、そろそろいいか、ヒロキ頭を抱えてないで始めるぞ。」

「誰のせいだ誰の!」

「ほら、長い時間は動かないからな、起動したら俺は中にダッシュするからちゃんと着いて来いよ。

ダイキ、サエちゃんの護衛を頼む、俺に着いて来れないと思うから、ゆっくりでいいから来てくれ。」

「了解、ちゃんと守るよ。」

「任せたよ、さてヒロキ、リナ準備はいいか?」

「いつでも来い!」

「お兄ちゃんから離れないよ。」

「起動!」

俺は儀式で貯めた地脈を遺跡に流し込む、すると壁面が青い光を放ち出した。


「急げ!奥の部屋に向かうぞ!」

俺達は急ぎ奥の部屋に向かい走り出したのだった。

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