第353話 引っ越し
俺は東京に戻っていた。
家はアズサとミウが出しあって、家を建てていたらしく。
埼玉に庭付きの家が出来ていた。
庭にはアント君が既に住み着いていたが、アント君の生活スペースの横にサッカーコートがあった。
「おお!でかいって、グランドある!」
「リョウ君には必要かと思って、家の中には防音室もあって演奏も出来るよ。」
俺はミウに案内されながら、家を見て回る。
各自部屋を確認して荷物を置く。
「お兄ちゃん!」
リナが部屋に入ってくる。
「リナどうしたんだい?」
「リナの部屋が遠いの、だから此処に住む。」
「いやいや、此処は俺の部屋だからね。」
「お兄ちゃんの部屋だからいいの。ダメかな?」
リナは上目遣いで見てくる。
「仕方ない・・・」
「ダメだよ、リョウくん!」
承諾仕掛けた俺をミウが止める。
「ミウ、なんで来たの?もう少しだったのに。」
「部屋はくじ引きで決めたでしょ。」
「だって・・・」
「リナ、公平にくじ引きで決めたのなら従わないとね。」
「むーーー!」
リナは頬をふくらます。
「だーめ。まあ、何時でも来ていいから。」
「うん♪いつでもいるね。」
「あれ?何か違う?」
「リョウくんはリナちゃんに甘すぎるよ。」
「まあまあ、妹に兄は勝てないものなのだよ。」
ミウは少し不満そうにしていた。
「さて、埼玉に来たし、ちょっと出掛けて来るね。」
「リョウくん、何処行くの?」
「少しスタジアムまで。」
「今日、試合あるの?」
「うん♪」
「じゃあ、私も行くね。」
「了解じゃあ、一緒に行くか。」
「リナも!」
「あっ!リナちゃんはお留守番でもいいんだよ。」
「やだ!お兄ちゃんと行く。」
「じゃあ、リナと行こうか。」
俺はミウとリナを連れてスタジアムに向かった。
「あれ、まだ入場が始まってないや。スタジアムの外を回ってみようか。」
俺は二人を連れて屋台を回る。
スタジアムの外の広場で学生の吹奏楽がミウの曲を演奏をしていた。
「ミウ歌ってみようか?」
「ダメだって、前も言ったけど混乱が起きるよ。」
「じゃあ、リナが歌う♪」
「ちょ、ちょっとリナもダメだって。」
リナの歌声が周囲に響く。
その透き通る歌声に周囲の視線がリナに集まる。
「あれ?あの娘、RYOと動画で歌ってた娘じゃない?」
「ちょっと、横にいるのRYOとミウよ!」
周囲が騒がしくなる。
「・・・あれ?俺とリナも有名になってる?」
「そうだよ、二人とも有名なんだから此処で歌ったら混乱になるよ。」
「あらら・・・どうしよう。」
俺は周囲を見ると人だかりが出来ていた。
「あの!ミウさま、私ファンなんです。握手して貰えませんか?」
「RYOさん、俺、RYOさんの曲に感動したんです、サインを貰えませんか!」
「リナちゃーん!こっち向いてください!」
三人に声が飛んでくる。
俺達は囲まれ逃げ道が無くなっていた。
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