第334話 キサクの問い!

「リョウくん!音楽活動が出来なくなるってどういうことだい!!!」

キサクさんは凄い勢いで食いついてきた。

「キサクさん、冗談ですから。止めたりしませんよ、今ミウの曲を作ってる最中ですし、」

「そ、そうかいそれならいいんだが、冗談でも言わないで欲しいな、寿命が縮まってしまうよ。」

「すみません、たださっき来客がありまして、音楽活動出来なくしてやるって言われたもので。」

「・・・何処の愚か者だい?世界の至宝にそんな事をするのは?」

キサクさんの眼から光が消える!

「待った!落ち着いて、相手は西園寺の大阪支部長の嫁さんらしいけど、そんな力はないでしょ。」

「西園寺、大阪支部長の妻か・・・あーあのモンスターか。」

「知ってるのですか?」

「悪い噂だけどね、横山マリと言って、息子タダオをコネで無理矢理西園寺の芸能事務所に入れて、圧力をかけて息子を使うようにさせてる人だよ。」

「へぇーそれなら納得出来る態度だったな。」

「リョウくんの所に来たんだね。」

「20万で曲を作れと言われましたよ。」

「・・・バカなのかい?それで作ってくれるならみんな依頼するに決まってるだろ?」

キサクはあきれていた。

「それを断ったら、音楽活動出来なくしてやると言われたけど、西園寺大阪支社長ぐらいで何が出来るんだろう?」

「結構、権力はあるけど・・・リョウくんには関係ないね。」

「まぁ、圧力かけてくるなら、対応するだけだけどね。」

「実際にやったら大事だよ。西園寺と源の関係にヒビが入るかも。」

「いくら何でも西園寺の人が止めるだろう?源の関係者って有名だろうし。」

「そうだね、それにリョウくんの音楽活動の邪魔をするなら、僕も容赦しないからねぇ~」

「キサクさん、怖いって!」

不適な笑みを浮かべる、キサクさんはある意味ホラーだった。


その頃、マリは西園寺大阪芸能事務所にきていた。

「いい、リョウの音楽活動の邪魔をしなさい。」

「・・・えっ?」

事務所所長、牧野はあまりの発言に困惑する。

「聞こえなかったのですか?リョウを少なくとも大阪から排除しなさいと言っているのです!」

「いやいや、無理ですよ!相手は大物過ぎます。」

「あなた、私に逆らうの!」

「そんな事を言われましても・・・」

「あなた、自分のクビが入らないのかしら?」

「えっ?」

「私が言えば貴方の立場なんてすぐに無くなるのよ。それを考えて答えてちょうだい。」

「そ、そんなぁ~」

「どうなの!やるのやらないの!」

所長は絞り出すような声で

「・・・やります。」

承諾してしまった。

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