第295話 リョウの治療中

「アズサさん、ミウちゃん、なんでリョウくん兄を止めないの!」

「ミズホさん、リョウくんは止まらないよ。かくごを決めたら突き進む人だから。」

「それでも!」

「ミズホさん。女は待つだけなんですよ。」

「アズサさんまで!」

「でも、私はただ待つだけの女にはなりませんよ。源グループの傭兵団、忍び衆の派遣が決まりました。あと、政府に我々の行動を認めさせましたから、大規模な邪魔は入らないでしょう。」

「アズサさん、いつの間にそんなことを。」

「可能な限り支援して、少しでもリョウを助けないと!」

「西園寺にそんなのないから・・・」

「源グループは総力をあげてリョウを支援するの。」


そんな中、エミリーがリョウを訪ねてくる。

「すいません、リョウはいますか?」

「エミリーちゃん?リョウはいるけど今取り込み中なの。」

「アズサ、リョウに会わせて。」

「意地悪を言ってるんじゃないの、今ホントに取り込み中だから、夕食の時まで待ってもらえない?」

「何をしてるの?」

「昨日ケガした所を針と灸で応急処置するって言ってたけど、終わるまで入らないように言われてるの。」

「大丈夫なの?」

「リョウを信じてるから大丈夫だと思うけど。」

「私も待つね。」

エミリーを含め、女達はリョウが部屋から出てくるのを待っていた。


その頃。長野県、戸隠の里

「若が友の為に命懸けの調査を行うようだ!」

「なに!友の為に命を懸けるのは素晴らしいが、若を失うわけにはいくまい。」

「うむ。その為、我等を含め姫から各忍の里に救援要請がきておる。既に伊賀、甲賀、風魔は現地に向かったようだり」

「なに!出遅れてしまったか、首領、我等も急ぎ馳せ参じましょうぞ!」

「無論じゃ、しかし、数を多く行かせればいいわけでもあるまい。我等は上忍のみで向かう!」

「はっ!急ぎ準備致しましょう。」

「各々、抜かりなきよう。」


島津家ではアズサからの救援要請に・・・

「全国の心ある侍を集結させろ、戦じゃ!若の国とりが始まるぞ!」

何か勘違いをしていた。

「殿、立花殿、鍋島殿も家臣団を連れ合流するよしにございます。」

「これは頼りになるのぅ。」

「上杉、武田、伊達も参加を表明いたしました!」

「うむ。して、数はいくらになった?」

「はっ!総勢五千、既に向かっております。」

「もう少し欲しい所じゃが仕方あるまい、我等も出るぞ、遅れをとるな!」


この日、ギリシャに向かう飛行機は忍と侍で溢れていた。






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