第281話 発掘の危険
「それで何があったんだ?」
「俺達でも、油断するとヤバイような罠がたくさん。じいちゃんやジロウさんぐらいじゃないとしんどいかも。」
「罠だけか?それなら準備すれば何とかなるんじゃないか?」
「あとは少し自信はないけどヤナ予感がしたかな?この前ウイルス見たような感覚だったから、もしかしたらヤバイかも。」
「お前がヤナ予感と言うのは怖いな。」
「ウイルスのレベルはわからないけど、装備も無しに踏み込むのは止めた方がいいよ、アイツらに調べさせた方が無難かな?」
「しかしだな、俺が調べたかったのに!」
「あきらめな、未知のウイルスは怖いらしいよ。」
「そうなんだが・・・」
「お兄ちゃんなら行ける?」
「ウイルスはどうだろ?この前のワクチンみたいに少しは何とか出きるかも知れないけど挑戦はしたくないなぁ。」
「ぐぬぬ・・・仕方ない、じゃあ、もう1つの遺跡に行くか。」
「えー、どうせ何か見つかってもとられるよ。」
「古代ロマンが俺を呼ぶ!さぁ行くぞ。」
「へぇーい。」
次に来た遺跡はパッと見、わからないような小さいものだった。
「これだ、まだ何処にも発表はしてない代物だ。」
「お前、自分用に隠してるな。」
「いや、特に何もないんだ、ただ、何で在るかがわからんからな、リョウなら何か気付くかもと思ってな。」
みんなで中に入っているが3部屋が連なっているだけのようだった。
「ふーん・・・おっ、入ってますか?」
俺が壁をノックする。
「お前何してるの?」
「人のお宅に入る前の礼儀作法?」
「何かあったのか!」
「うーん、ここお墓だね。」
「いや、死体がないぞ?」
「この壁の向こうに死体があるよ。ヤバイ気配も無いから開けてもいいよ。」
「壁を壊すのか?」
「なんでだよ、扉になってるんだから開けろよ。」
「いや、なってないだろ?」
「ホントにお前はトレジャーハンターか?」
俺は反対側のデッパリを押し、右の部屋の床にあった石を反対に置き、左の部屋の壁の石を1枚はがし奥にあるスイッチを棒で押した。
すると、とびらが開く。
「ほら、開いたろ?」
「誰がそんなやり方すぐにわかるんだよ!」
「えー、トレジャーハンターなんだから、ちゃんと扉の開け方ぐらい覚えろよ。」
「こんなのお前しかわからんよ。」
「それより中はいいのか?」
「そうだった!ってこれは・・・」
「黄金で飾られた部屋に豪華な棺、貴族かなんかの墓かな?」
「年代はかなり古いぞ、それにこんな細工見たことない。」
「えーと、ミノスさんのお墓らしいよ。」「・・・お前、古代ギリシャ文字読めるの?」
「なんとなくの雰囲気でわかんない?」
「わかるかーーー!」
「そっかなぁ?ほら、ここには愛する祖国の繁栄を祈るとか書いてるでしょ?」
「でしょ、じゃねぇよ!お前実は読めるんだろ!」
「読めると言えば?」
「お前に読んでもらうものが増える。」
「オレヨメナイ!」
「いつからだ・・・いつからお前は完璧に読めている?」
「学生の頃、お前が一生懸命いろんな古代文字勉強してたじゃん、それを見てたらわかるようになった。」
「なんで言わないんだ!」
「言ったら、勉強しているヒロキに悪いだろ?こういうのは自分で読めた方が楽しいし。」
「お前が今読んでる文字はまだ解読されてない文字だぞ。」
「そうなの?結構簡単にわかりそうなのになぁ~」
「他にどんなのが普通に読める?」
「うーん、見てみないとわかんないかな?象形文字とかは雰囲気で読むところもあるし、」
「今度、大量に文字を持って行ってやる。」
「やだ♪めんどくさいもん。」
「お前に古代ロマンがわからんのか!」
「わかりません。古代人の恋文見ながら、ヒロキが唸ってるのを見るのは楽しかったけど。」
「お前、性格悪いな!教えてくれてもいいだろ!」
「自分で覚えなさい。」
「ねぇねぇ、お兄ちゃん。」
「なに?」
「なんで古代文字は読めるのに現代文字は読めないの?」
「うーん、勉強してないからかな?あまり見る気もなかったし。」
「でも、喋れたら楽しいよ。勉強しようよ。」
「ホントは日本を出るつもりがなかったんだけどなぁ~仕方ないか、リナ教えてくれる?」
「うん、リナが教えるね。」
「ありがとう♪」
俺は今更ながら現代語の勉強をすることにした。
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