第280話 発見

朝4時。

「リョウ起きろ!」

「へっ?まだ、4時だろ?早くないか?」

「早いと言っておいただろ、さっさと準備しろよ。」

「眠いのだが?」

「うるさい!さっさといくぞ!」

「ふぁ~仕方ない行くか・・・」


俺達は朝五時に昨日行った遺跡につく。

「ヒロキ誰もいないよ。」

「スタッフが来る前に何処を掘るか聞いておきたい。」

「えーめんどくさい。」

「何?」

「・・・ちゃんとやります。えーと、柱の所から2階分ぐらい降りて、このあたりに来てて」

俺は歩きながら説明する。

「それでこの辺の地下に広がってるかなぁ、広すぎて追いきれないや。」

「いや、入り口がわかっただけでも充分だ。」

説明が終わったぐらいに学者らしき人と作業員がらきた。

「ヒロキ、今日は遺跡を掘ると聞いたがここはもう調査が終わっているぞ。」

「いや、新たな発見があってな。この地下にさらに遺跡があるようなんだ。」

「そんな事があるか!」

「まあ、騙されたと思って指示に従ってくれ。」

学者らしき人はブツブツ文句を言っていた。

「さあ、掘ってくれるか。」

ヒロキは作業員に指示を出し掘り始める。

「リョウあってるか?」

「あってるよ、そのまま掘って、もっとガンガンやっていいよ。」

作業員は指示通り掘りまくる。

「遺跡が・・・ヒロキもっと丁寧に。」

「それだと時間がかかるだろ、指示があるまでは大丈夫だ。」

そして・・・

「深さはそれでいいよ、あと少し北に掘って、あっ、丁寧にね、すぐ壁が出てくるから。」

「あの人は何を?」

「いいから、指示に従え。」

作業員が掘り進めると石壁が出てきた。

「これは!!」

「この壁は仕掛けないから壊していいよ。」

「おう!」

ヒロキは壁を殴り破壊し、通路をつくる。

「中に空洞、通路か!これは凄い発見だ!すぐに報告しないと!」

「さて、リョウ、中を探索と行くか。」

「まちたまえ、ここからはギリシャ文化材保護課の管轄だ、他国の人が入らないように。」

「なに?お前たち何を言ってる!」

「お前たちに調査する権限がないと言っているんだ、日本人は帰りたまえ。」

「なんだと!」

「うん、じゃあ帰るね。」

「おい、こら、何を帰ろうとしてる!」

「だって、ここはギリシャの観光地だろ?向こうの好きにさしたらいいよ。どれだけ被害が出ても知らないし。」

「へっ?」

「それより早く離れよう。そこの人達も入るときは気をつけてね。あと、発見したんだから報酬ぐらい寄越せよ。」

「わかったよ、申請ぐらいはしておいてやるさ、さあらさっさと帰れ。」

「それじゃね~ヒロキ行くぞ、こんなヤツに協力する必要なんてないだろ?」

「おい、何があるんだよ、教えろよ!」

「まあまあ、後で言うよ。」

俺はホテルに戻るとみんなを促し、クレタ島を後にした。

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