第278話 ギリシャ到着

「や、やっとついた・・・俺はもうダメだ・・・」

「リョウ今からが仕事だぞ。」

「やだ、足元フワフワする、まだ動きたくない!」

「動かんでいい、担いでいってやる。頭だけ動かせ。」

「いや~~~」

「ヒロキ、お兄ちゃんを離せ!」

「おっと、リナ、銃は無しだぜ。」

「お兄ちゃんは疲れてるの!休まして。」

「しかし、だなぁ。」

「ヒロキ、さすがにリョウが可哀想だ、今日は休むべ。」

「ダイキまで・・・わかったよ、今日は休むか・・・」

「ヒロキそんなに慌てるなよ。」

「いや、まあ、たしかに焦ってるな。」

「落ち着いてやらないと、ケガするぞ。」

「わかったよ。」


翌日。

「リョウ、遺跡に向かうぞ。」

「ヒロキ、向かうけどそのテンションの高さは何?」

「これで古代の真実がわかるとなるとついな!」

「俺が行ったからって謎が解ける訳じゃないだろ?」

「いや、人間と違う感覚のお前ならきっと何か見つけるはずだ!」

「俺は人間だよ!」

「リョウ、人間はな動物と会話したりは出来ないんだ。」

「うっ、でも、世界には他にもきっといるよ。」

「まあ、俺は目の前にいる奴を使って調査するだけだ。さあ、キリキリ働け。」

「横暴だぁ~」

文句をいいながらも遺跡に来る。

「あれ、ここ観光用の遺跡じゃないの?」

「まずはここを見てもらおうと思ってな、新たな発見があるかも知れないし。」

「もう、調査終わってるでしょ?」

「一応だ、本命は別にあるから安心しろ。」

「別に1つでいいのに・・・」

俺達は中に入る

「ここはな、ミノタウロスを閉じ込めるために作られた迷宮だと言われてる。」

「へぇー」

「まあ、伝承だけだけどな、実際は増改築された宮殿という話だ。」

「なるほど。」

「それでだリョウ、何処か違和感あったか?」

「柱の下に下に行く通路があったよ。」

「・・・」

「下は結構広いから通っただけじゃ内部はわからなかったよ。」

「・・・」

「どしたのヒロキ?」

「どこだ!リョウ!」

「うわっ!なに!」

「何処にあった!早く案内しろ!」

「わ、わかったよ。」

遺跡の端にある部屋の入り口の柱に行く。

「ヒロキ、この下だよ。」

「こんな所に!」

ヒロキが柱を殴ろうとする。

「待った!」

「ヒロキ壊すな!仕掛けがあって部屋が崩れるようになってるから壊しちゃダメ!」

「なに!」

「じゃあどうすれば?」

「別の所から穴を掘ればいいんだよ。」

「なるほど。」

「それに仕掛けがたくさんありそうだから、今の装備でいったらダメだね、ちゃんと準備して入った方がいいよ。」

「わかったよ。」

「それとだ、ヒロキちゃんと届けを出せ、また遺跡荒らしをするのか?」

「ダイキ、何の事かな?」

「破壊王さん?言っていいのか?」

「まさか知ってるの?」

「調査の為に許可無く遺跡を破壊してるのは有名だぞ、功績もあるから霞んではいるが。」

「あれはな・・・」

「ヒロキ破壊はいけないぞ~」

「仕方ないだろ?壊さないと動かないタイプとかあるんだから。」

「壊す前に考えよう。」

「ま、まあ、今回は手続きとるよ・・・」

「おー、じゃあ、それまで、お休みだね♪」

「リョウ嬉しそうだな。」

「人生始めてのヨーロッパ観光さしてもらうよ♪」

「くっ!早めに許可とるからな、それまで日本に帰るなよ!」

「・・・飛行機に乗れないから帰れない、そうだ、どうしよう・・・」

「お兄ちゃん、ドイツでくらそ?」

「・・・それもいいかも。」

「お前な~言葉もわからないのに仕事はどうすんだよ。」

「リナがお兄ちゃんを養ってあげるの。」

「・・・それは~」

「リョウ、少女のヒモか?」

「人聞きの悪い事を言うな、それにお金なら・・・なら・・・あれ?」

俺はポケットを探すが財布がなかった。

「リョウどうした?」

「財布忘れてきた・・・」

「何処に?」

「にほんかも・・・」

「リョウ、ホントにリナのヒモになるな。」

「ダイキかヒロキお金貸して!」

「ダメだよ、お兄ちゃん。2人に借りたら借りが大きくなるよ。リナなら家族だもん、問題ないよ。」

「リナ~」

「そして、少女のヒモになる。」

「ダイキ、お兄ちゃんをからかわない。」

俺は遠い異国の地で一文無しだった・・・

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