第268話 撮影終わり

「えーと、ヨシトさんが番組を降板しましたので次回から案内人に決まりました、ヒトミです。番組をやるのは初めてですので緊張してますが、頑張りたいと思います。

さて、今回はミウさんとリョウが渋温泉に来てますが、最後に歌の宣伝を行うとの事でなんと特設ステージで歌ってもらう事になりましたー♪

番組をジャックして、最後まで自由な2人ですが、歌ってもらいましょう。

えー、ミウwithリョウで『明日の光』です。」

歌いおえたあと、周りの歓声が凄かった。

気が付くとステージの周りは人で溢れており、アズサに集めてもらっていた警備員が総動員で人をさばいていた。

「ふぅ、なんか盛り上がってるね。」

「リョウくん、凄く気持ちよかったよ!」

「俺もいい気分だよ♪曲がないのは寂しい所だけど、ミウの曲弾くから歌う?」

「今日はやめておく、2人のデビューの日だもん♪」

「そっか、じゃあ、この騒ぎをおさめないとね。」

俺は集まった人を見ていた。

「うん、えー集まってくれた皆さん、ありがとうございます。今度発売されるミウwithリョウのデビュー曲でした。2人に曲は他にないので今日はこれでお仕舞いです。ケガをなされないよう、帰宅なされてくださいね。」

「ミウさまー!」

「ミウさまの曲、歌って!」

「すいません、今日は2人のデビューのイベントですので、私個人の歌は控えます。2人の曲が増えてライヴが出来るよう頑張っていきますので応援お願いしまーす!」

挨拶を終えるとミウはステージ裏に下がる。


「はい、ミウwithリョウで『明日の光』でした。来週発売されますので購入お願いしますとの事です。さて、それでは旅気分、いかがでしたでしょうか?来週からわたくし、ヒトミが案内人をつとめますので、引き続きこの番組も応援お願いしますね、じゃあ、バイバイ♪」

「カッート!ヒトミさんいいね、来週からホントにやってくれるの?」

「やりますよ、ただ、映画の撮影ある時は代役お願いしますね。」

「もちろん、わかっているよ。でも、いいのかい?ギャラも安いだろ?」

「リョウの頼みですから。アイツに貸しを作れましたし、引き受けますよ。」

「リョウくんは何者なんだい?ミウさんの婚約者だとか、源グループの若様だとかいろんな情報がありすぎるんだが・・・」

「うーん、魅力的な男性かな?まあ、魅力がありすぎて女の子は困るんだけどね。」

「ははは・・・」

「ヒトミー撮影終わった?」

「リョウ!いい曲だったよ。私のデビュー曲も作ってくれない?」

「それで貸しが無くなるならいいよ。」

「ならいい、貸しはもっと有効に使うからね。」

「リョウくん!貸しってなに!すぐに借りたらいけないでしょ。」

「いや~ヒトミを呼び出すのにね?」

「リョウくんは危険な事をしてるのがわからないのですか?」

「ヒトミも無茶は言ったりしないと思うよ。」

「その認識が甘いんです。リョウくんがカピバラさんなのを忘れたのですか!」

「お兄ちゃん、カピバラなの?」

「そうよ、リナちゃん。危機感も無くのんびり歩いて、お風呂に入って、近くに肉食獣がいるのに気付かないの!」

「じゃあ、リナが守るの。歩いている時も、お風呂も、ベッドの中までちゃんと守る。」

「ベッドの中はリナちゃんが守らなくても私が守るよ~」

「ミウは弱いから守れない、リナが守る。」

「う~ん、妹はベッドの中に入っちゃダメだよ。」

「いや、お兄ちゃんと一緒にいるもん。」

「2人ともそろそろ帰るぞ、アズサも車で待ってるしみんなで帰ろう。」

「「はーい」」

俺達はやっと撮影をおえ帰宅するのだった。

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