第266話 挽回!
ヨシトが帰ったあと、
「ミウ、この宿のイメージを回復しないといけない。」
「うん。」
「リナも協力してくれる?」
「うん、お兄ちゃんの為に頑張るよ。」
「山本さん、館内の撮影と温泉の撮影しましょう。そして、明日、もう一度温泉街を回りましょう。」
「それは構わないけど。」
「女将さん、温泉を撮影出来る時間作れますか?」
「貸し切り風呂は撮影出来ますが、大浴場は明日の昼間の時間なら・・・」
「なら、それでいきましょう。」
「これが貸し切り風呂か。凄い風情のある風呂だね。」
「リョウくん、どうやって撮る気だい?」
「ミウを風呂に入れるのは問題があるから、俺とリナが入りますよ。」
「リナちゃんは可愛いから確かに視聴率は稼げるかも知れないが・・・」
「勿論水着を着用させます。裸をさらさすわけにもいきませんし。」
「それならいいのか・・・?」
そして、撮影を始める。
「こちらが宿の貸し切り風呂となってます。視聴者の皆さん、すいません、ミウではなくて俺の裸になりますがお詫びに後堪能を。」
俺はそれなりに引き締まった上半身をだす。
「リョウくん、何してるの!それ誰も需要ないからね!」
「いやん、ミウのエッチ♪」
「エッチじゃないもん。」
「そのチラチラ見るのは止めてから言おうかな。」
「お兄ちゃん♪一緒に入ろ?」
リナが風呂にやってくるが、打ち合わせの水着ではなく湯浴着を着ていた。
「リナ?」
「女将さんに貸してもらったの♪似合ってるかな?」
銀髪美少女の湯浴着姿は非常に美しかった。
「リナ似合ってるよ。」
「よかった♪じゃあ私も入るね~」
「じゃあ、俺も入るか。ふぅ~いい風呂だね。」
「えーと、この温泉の効能は神経痛や美肌によいとされ・・・」
ミウが温泉の説明をしてるなか、俺とリナはお湯を楽しむ。
「お兄ちゃん、いいお湯だね。見てみて肌が滑らかになるよ。」
リナは湯浴着の腕を捲り、見せてくる。
「ホントだね。俺もお湯が染み込んでくるよぉ~」
「お兄ちゃん、寝ちゃダメだよ!」
「うう、二人ともいいなぁ~」
「ミウは脱げないもんね、お風呂はリナとお兄ちゃんで楽しむからね♪」
「リナちゃんのイジワル。」
二人の笑顔が戻っていることにホッとしながら、風呂の撮影を終えた。
撮影後、山本さんと打ち合わせをしていた。
「山本さん、どうですか?」
「リョウくん、ミウさんの表情がいいね、普通の女の子の顔が出てるよ、それにリナちゃん、凄い美少女だよね。こんな子が入浴するなんて!でも、良かったのかい?事務所とかが何か言ってこないかな?」
「リナは事務所に入ってませんし、本人も楽しそうだからいいんじゃないかな?」
「事務所に入ってないの!」
「ええ、普段はドイツに住んでますし、芸能界に入る意思はないですね。」
「そんなもったいない、リナちゃんならトップアイドルも夢じゃないのに・・・」
「本人が興味なさそうですからね。歌は上手いんですが・・・」
「リョウくん、君から見てミウさんと比べるとどれくらいなんだい?」
「声の種類が違うから比べれませんが、同じレベルぐらいでは歌えると思いますよ。」
「デビューの予定は・・・無いんだね?」
「そうですね。俺としてはリナには自分で好きな道を選んで欲しいと思いますよ。」
「もし、デビューしたらボクの番組にも出てもらえるかな?」
「リナ次第ですが、その時は連絡ください、無碍にしたりはしませんよ。」
「ありがとう。それで明日の話なんだけど、午前中に温泉街を回って、昼から大浴場を撮影でいいかな?」
「外湯はどうします?」
「全部は入れないから、スタッフが風呂の様子を撮影してきている。リョウくん達は温泉街を歩いて楽しそうにしてる画を撮らしてもらえないかな?」
「わかりました。それで行きましょう。ただ、最後に・・・」
「いいのかい?それに準備が?」
「準備は俺の方でしますので、ミウとリナには秘密でいきましょう。」
「驚かすのかい?リョウくんもイタズラ好きだね。」
「サプライズってやつですよ。」
「わかった、コッチも撮影の準備をしておくよ。」
「それではおのおの抜かり無く。」
撮影初日を終えるであった。
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