第265話 ヨシトの行き先
東京に帰ったヨシトは事務所に向かう、
「社長!クビってどういう事だよ!」
「ヨシト、お前やらかしてくれたな・・・」
「なに?」
「よくもまあ、若様に失礼な真似を!柴田さんから連絡をいただいた時は恥ずかしくて死にそうだったぞ!」
「・・・柴田って、あの柴田さんか?」
「そうだよ、お前が番組でケンカした相手は源グループの若様だ、柴田さんも大激怒だ、おかげでお前がやってる番組全部降板が決まった。」
「そ、そんな・・・俺はどうしたら。」
「悪いことは言わん、引退しろ。」
「いや、だって、俺は人気あるだろ?いなくなったら芸能界の損失だぞ?」
「しばらくは席の取合いかも知れんが、変わりはいくらでもいるんだ、うちとしては痛手だが・・・」
「なんとかならないのかよ!」
「若様が許してくれたら助かるかも知れないが・・・」
「あんな奴に頭を下げろと!」
「まあ、お前はそういう奴だな、残念だが、うちとしてはここまでだ。おとなしく引退するんだな。」
「バカを言うな!こうなったら他の事務所に移っても文句はないよな。」
「出来るなら好きにすればいい。」
「後悔するなよ、マネージャー行くぞ!」
「待て!マネージャーはうちの社員だ、うちを止めたお前につく事はない。」
「なんだと!」
「ヨシトさん長い間お世話になりました。」
「くっ、いいさ、もっといい事務所に行くからな!」
ヨシトは出ていった。
「社長、良かったんですか?」
「こうするしかないんだ、よりにもよって若様と敵対するとは・・・アイツはニュースを見てないのか?」
「えっ?ニュースって?」
「お前も知らないのか?この前名古屋で警察とやりあってた奴がいただろ?」
「あ、いました。結構ニュースになってましたよね。冤罪をはらすために、結局政府が頭を下げた事件ですよね。」
「そうだ、あれの当事者が若様だ。それを考えればケンカを売るなんて・・・」
「じゃあ、ヨシトさんは・・・」
「どこの事務所も雇わないだろう。それに源グループから回覧が回ってきていて、ヨシトがいる事務所に仕事を回さないと言ってきている。」
「大丈夫ですかね?」
「大人しく引退すれば、今までの稼ぎもあるんだ、やっていけるだろう。」
翌日、ヨシトは各事務所に連絡して見たがどの事務所もヨシトを受け入れてくれなかった。
「どうなっているんだ!この俺が移籍しようと言うのになんで何処も話すら聞かないんだ!・・・もしかして、ホントに俺は終わりなのか・・・あんな事で・・・」
ヨシトは後悔し始めていた・・・
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