歳の差の花嫁

第258話 アキラくん、ちゃん？

「ひさしぶり、アキラく・・・ちゃん？」

ひさしぶりに会ったアキラくんはスカートをはいていた。

「先生！これから宜しくお願いします！」

「ちょっと待とうかな？アキラくんはなんでスカートを？」

「似合いませんか？」

「いや、似合ってはいるんだけど・・・」

「リョウ、アキラくんは女の子ですよ。」

「・・・知ってたよ。」

俺は真実を教えてくれたアズサに答える。

「嘘でしょ？ねぇ、こっち見ていってくれるかな？」

「だって、アキラだよ、男の子だと思うじゃん！」

「どう見ても女の子ですよ、ほらボーイッシュだけど、凄い可愛いじゃないですか。」

「今見るとそう思います。」

「それより、話を聞きましょうね。」

「あい。」

「えーと、アキラくん。両親を説得したと言ってたけど、御両親は東京に住まわしていいんですか？」

「はい、若の傍にお仕えできる名誉、誰が拒否致しましょうか。」

「・・・お嬢さんは小学生で女の子ですよ。親元の方が？」

「そうです、女の子です。ですのでいつでも、側室にお迎えくださってもかまいません。」

「・・・アズちゃん、話が通じない。」

「もう、わかったわ、私が話すね。」

「お願い。」

「織部の家の忠義、よくわかりました。そちらがその覚悟なら源の家も受け入れましょう。本家住みになりますがよろしいですか？」

「なんと！そのような栄誉をいただけるとは！」

「場合によっては御手付きになる覚悟もあると言うことでいいのですね。」

「はっ！勿論にございます。是非御手付きになるよう、娘も努力する事でしょう。」

「アキラくんもいいのですね？」

「はい！先生にしていただけるなら、私は喜んでこの身を差し出します。」

「よろしい、それでは今日より織部アキラは本家付きです。」

「「ハッ！粉骨砕身尽くしてまいります。」」

「リョウ、話はまとまったよ。」

「なんでそっちにまとめるの！」

「だって、臣下が覚悟して来たんだよ、受け入れるのが主君じゃない？」

「うー、でも、側室にはしないからね。」

「それはリョウ次第です、それよりアキラくんにはリョウくんの傍で楽譜を作ってもらいましょう。曲が思い付いたら呼んであげてください。」

「はあ、それだけだと、さすがに酷いから、アキラくん、俺で良ければピアノの練習も付き合うから、いつでも、声かけてね。」

「いいんですか！」

「あまり指導したことないから、未熟だけどね。」

「先生の曲を聴かしていただけるだけでも勉強になります！」

「あと、ピアノはいつ弾いてもいいから。好きな時に使って。」

「はい！」

「リョウさん、弟子をとられるのでしたら私もお願い出来ないでしょうか？」

「タマさん？」

「私ももっと上手くなりたいのです！」

「タマさんはダイキの婚約者なんだから言ってくれたら教えるよ。」

「いいんですか！」

「まあね、ダイキ、タマさんが練習したい時は連れてきてくれよな。」

「りょーかい。」

「ちょっと、リョウ、アンタはタマちゃんの味方なの！」

「その話はダイキとして、俺は幼馴染みの婚約者にピアノを教えるだけだから。」

「ダイキ！」

ミキはダイキを連れ物理を交えて話し合いをしていた。