第254話 マイのいない時

「リョウ俺に用事ってなんだ?」

俺はダイキを呼び出していた。

「今日、タマさんがピアノを習いたいって来るんだ、だからダイキも一緒にいた方がいいかと思ってね。」

「おう、わかった。知り合いがいた方がいいよな。」


「今日はヨロシクお願いします。」

タマさんは緊張気味に挨拶していた。

「そんなに緊張しなくてもいいよ。」

「でも、源本家ですし、粗相をしたら・・・」

「大丈夫だよ、ほらダイキもいるし落ち着いて。」

「ダイキさん!」

タマさんはダイキに抱きつく

「お久し振りです。」

「タマちゃん久し振りだね。元気にしてた?」

「はい、元気にしてました。でも、ダイキさんに会えなくて寂しかったです・・・」

「そうなんだ。」

「でも、今日会えて嬉しいです。今日はいっぱい可愛がってくださいね。」


「リョウくん、ミキさん連れてきたよ~」

そこにミウがミキを連れてくる。

「「・・・」」

ダイキとミキの視線が交差する。

「ダイキ、その子はダレ?」

「この子は・・・」

「ダイキさんの婚約者です。」

「タマちゃん?」

「ちゃんとお父様のジロウさんにも承諾を得ましたよ。」

「・・・俺、聞いてないんだけど。」

「ダイキ、あんたまた浮気したの!」

「ち、ちがう!落ち着いて、話せばわかる!」

「ダイキは道端に可愛い子がいたから声をかけただけなんだよ。」

「リョウ、てめぇー!どういう事だ!」

「ふふん、ダイキが困る姿が見たかっただけだ!」

「やりすぎだろ!」

「浮気する奴が悪いのさ♪」

「ダイキ、リョウの言うことを否定しないということはナンパしたんだね。」

「・・・あっ!いや、待った。」

「そうです、ナンパじゃないです。ダイキさんは運命を感じただけです!」

「タマちゃん、ちょっと静かにしてー」

「ふーん、ねぇ、あなた名前は?」

「長尾タマです。」

「何歳?」

「13歳です。」

「・・・ダイキ、あんたはいつからロリになったの!リョウの事を笑えないじゃない!」

「「誰がロリだ!」」

「あんた達、小さい女の子を捕まえてきて、少しは恥を知りなさい。」

「おい、ダイキ、お前のせいでなんで、俺が怒られるんだよ!」

「お前がミキを呼ぶからだろ!」

「ちょっと聞いてるの!」

「「あい!」」

「ミキ、お兄ちゃんをいじめるの?」

「・・・り、リョウのことはどうでもいいの!それよりダイキよ!」

「あら、リョウさん聞きました?」

「なにかしら?ダイキさん?」

「今、日和見しましたよ。」

「あらやだ、それはお恥ずかしいわね。」

「あ・ん・た・ら!」

「「うわーおばちゃんが怒ったー」」

「だれが、おばちゃんよ!」

俺とダイキはミキをからかいながら逃げる。

「むーお兄ちゃんがミキと遊んでるーリナもー♪」

リナは俺の背中に抱きついてきた。

「うわっ、リナ!」

「お兄ちゃん♪」

急に抱きつかれた俺はバランスを崩しこけた。

「リョウ、覚悟はいいよね。」

こけた俺に手をワキワキさせながらミキがきた。

「は、話せばわかる。」

「問答無用!」

ミキは俺の脇をくすぐる。

「ぎゃはは・・・ギブギブ!」

「むーリョウくんミキさんと仲良くない?」

「・・・ミウさま、これはですね、罰というか・・・」

「ミキさんはダイキくんと遊んでてくださいね。」

「はい。」

「お兄ちゃん、もうおわり?」

「はぁーはぁー、あーきつかった。リナが抱きつくから捕まったぞー悪い子はこうだ!」

俺はリナの脇をくすぐる。

「にゃはは・・・」

「ほれほれ!」

「にゃはは、やめて、もうやめて、ごめんなさい。」

「リョウくん、女の子にそんなことしちゃいけません。リナちゃんを離して。」

俺はミウに言われ、止める。

「ミウ、私は別にいいのに?お兄ちゃんとスキンシップだよ?」

「だめだよ、女の子なんだからね、適度に距離をとらないと。」

「やだもん。お兄ちゃんとは距離をとらないもん。」

「もう、リナちゃんたら、」

「まあまあ、ミウ。リナはなかなか一緒にいれないから、一緒の時は甘やかしてあげよ。」

「リョウくんはリナちゃんに甘すぎるよ。」

「ミウはすぐ怒るから嫌い。」

「こらリナ、嫌いなんか言っちゃだめだよ。」

「うー、ごめんなさい。」

「わかればいいんだよ。」

俺達三人が騒いでるなか、ダイキは追い込まれていた。


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