第235話 ゼンの会社
ゼンが会社に着くと・・・
ゼンの妻フミエが駆けつけてきた。
「あなた大変よ!」
「ああ、元秘書に聞いた。」
「元秘書?」
「彼女は辞めたよ。」
「えっ!」
「マキに罵声を浴びせかけ、辞めていったよ。」
「一体何があったの!」
事情を聞いて
「あなた・・・一体何をしているの・・・」
膝から崩れおちた。
「どうした?どこか悪いのか?」
「・・・大丈夫よ、そんなことより、あなた、これからどうするつもり?」
「これからか?まず新たな取引を探さないとな、営業の連中に源の息のかかってない所を当たらせる。そして、材料は海外からでも取り寄せればいいだろう。さあ、早く対処するぞ!」
「・・・夢物語でも見てるの?このご時世でそんなに簡単に仕事が見つかるわけないでしょ、しかも、源家に睨まれてる所なんて、まず断るし引き受けてくれても足元みられて商売にならないわよ!」
「そんなことはないだろ、うちの商品が必要な所はあるはずだ!」
「代替えが効かないものなんて無いわよ!」
「えっ・・・」
「ねぇ、どうにかして源家に許してもらう事は出来ないの?」
「なんで謝る必要がある!」
「だって、悪いのはマキじゃない、それにユミだってこのままじゃ学校にも行けないじゃない。」
「それもこれも源家にいる桐谷とかいうヤツがわるいんだろ!」
「どっちが悪いとかは取りあえず置いて置きましょう、でも、うちに源家に逆らってやっていける力はないのよ、どんなに理不尽でも、頭を下げて許してもらうしかないの。」
「フミエは源家に降伏しろというのか!」
「あなた、降伏とかじゃないの。現実見てよ。どうやったらやっていけると思っているの!」
「それはな・・・」
「このままだと私達は破滅よ・・・」
「しかし、マキが可哀想じゃないか!」
「マキは自業自得よ!それにマキが生きていく為にも私達が破産するわけにはいかないの!」
「なに・・・」
「もう、マキの行き先はないのよ・・・この前の法事で親戚も関わりたくないって言ってたの・・・いい、マキとユミはもう私達しか引き取り手がないの、その私達まで源家に睨まれ破産したら誰が二人を助けるの?」
「しかし、もう遅い・・・私はヨシナリさんを怒らしてしまった。」
「とにかく、謝罪に行きましょう。取り返しのつかなくなる前に!」
フミエは渋るゼンを連れ、源家に向かった。
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