第204話 カラオケ

カラオケの部屋に入ると

「ミウさまとカラオケ・・・」

ミキは恍惚の表情をしていた。

「ダイキ、お前の彼女ヤバクね?」

「まさか、あーなるとは・・・」

「なによ!仕方ないじゃない、ミウさまとカラオケなんてファンの中じゃ妄想の中のイベントよ!」

「妄想するんだ・・・」

「ミウ、一緒に歌ってあげたら?」

「いいよ、ミキさん。なに歌う?」

「えっ!いいんですか!じゃあミウさまのデビュー曲を・・・」

「いいよ、あの曲聴いてくれてたんだね。、ありがと。」

「だ、ダイキ、こんな幸運あっていいのかな?私明日死んじゃわないかな?かな?」

「落ち着けよ、その幸運は俺のお陰だからな。」

「ありがとう、ダイキ!」

「ダイキくんが調子に乗るのは違うかな~リョウくんの頼みだからなんだからね!」

「リョウに頼んだのは俺だから俺の手柄だ!」

「それはなんか違うようなぁ~」

「まあまあ、ミウ、ケンカが収まったんだからヨシとしようよ。」

「リョウくんが言うならいいけど。」

「それより笑顔だよ、せっかく来たんだから楽しもう♪」

「そうだね、一番ミウ、ミキさんと歌いまーす。」

・・・

歌い終わって

「みうさま、最高です!私もう死んでもいい・・・」

「ミキ!傷は浅いぞ!」

「ダイキ、私はもうだめ・・・最後に写真をとってもらえる・・・」

「ああ、ミウちゃん、ミキの最後の願いだ、一緒に写真をとってもらえないか・・・」

「えっ、えっ!」

「お前ら仲いいな、小芝居はいいから普通に頼めよ。」

「リョウこういうのは雰囲気が大事なんだぞ。」

「やかましい、それより次歌うんだからどけよ。」

「お前、幼馴染みの扱いひどくないか!」

「ダイキじゃま、今からお兄ちゃんと歌うんだから早くどいて。」

「あーリナちゃんずるい!いきなり二人なんて!」

「ミウ、お兄ちゃんは早い者勝ち。」

「リョウくん、次は私と歌お♪」

「だめ、ミウは今歌った、次はお姉ちゃんの番。」

「リナ曲が始まるから歌うぞ、」

「うん♪」

リョウとリナは洋楽のラブソングを歌った。

「リョウ、歌詞の意味知ってるの?」

「わからん!聴き覚えで歌ってるだけ。リナが昔から好きな歌なんだ。」

リナは上機嫌になっていた。

「リョウくん、リナちゃん歌うまいね。綺麗な声してる。」

「う~ん、なんかメモ帳ない?」

「どうしたの?」

「なんか曲出てきてる。書いておかないとキサクさんに怒られそう。」

「リョウ兄、これ使って!」

ミズホが手帳を差し出す。

「いいの?」

「いいから使って。」

リョウは一心不乱に書き始めた。

「ねぇ、ダイキ、リョウくん急にどうしたの?」

「さあ?あいつの奇抜な行動は予想つかないからなぁ~」

「大丈夫なの?」

「まあ、何かあっても大丈夫なメンツが揃ってるし、何とかなるんじゃね?」

「ダイキ軽いね。」

「リョウとの付き合いの長さだな。それに見てみろよ、リョウの真剣な表情、あれの邪魔は出来ないだろ?」

「まあ、真剣に書いてるね。」

「しばらくしたら、飽きて止まるからそれまで静かにしてやろう。」

三十分後・・・

「あっ!止まった、まあだいたい出来たかな?」

「リョウくんどんなの出来たの?私歌うよ♪」

「歌うのは無理かなぁ~出来たのピアノソナタだし。」

「なんで普通の歌じゃないの?」

「リナの歌声で思い付いたらそうなった。」

「うーーー、私の歌で思い付いてよ。」

「こればかりは仕方ない。あっ、ミズホゴメン手帳全部使っちゃった。」

「いいよ、手帳ぐらいリョウ兄の好きにして。それより真剣なリョウくんかっこよかったよ。」

「うっ!ちょっと恥ずかしい・・・ってみんなゴメン、カラオケ来てるのに他の事してた!」

「いいよ、みんな見ていたし。」

「そうだぞ、リョウみんなに謝れ!」

「ダイキ、お兄ちゃんを責めるとはいい度胸、覚悟はいい?」

「リナちゃん、あかんって、冗談だよ。リョウと俺の仲だから冗談ぐらい言っちゃうんだ~なぁリョウ?」

「リナ、ダイキはからかってるだけだから、怒っちゃダメだよ。」

「お兄ちゃんが言うなら許してあげる。」


ミキはダイキがリナの言うことに従う事を不思議に思った。

「ダイキ、なんであんな小さい子供に怯えてるの?」

「ミキ、知らないほうが良いこともあるんだ、後で教えるから今は突っ込まないでくれ。」

「わからないけど、わかったよ。でも、ちゃんと教えてね。」

「それはモチロン。」


それからカラオケを続けていたが・・・

「なんかモヤモヤする・・・」

「どうしたの、リョウくん?」

「さっき作った曲が気になってね、アズちゃん家にピアノある?」

「ありますよ。」

「じゃあ帰ったら借りるね。」

「いいですよ、でも、私も聴いていいですか?」

「作成中だからたいした事ないけどそれでいいなら。」

「それでいいですよ。」

「私も聴きたい!」

「わたしも!」

ダイキとミキ以外のみんなは聴きたいと言ってきた。

「わかった、帰ったらね。」

「うん。」

その後はみんなでカラオケを楽しみ、夜になる前に帰宅した。

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