第198話 目覚めの朝

「あーよく寝た。うわっ!」

目を開けるとそこにはラルフの顔があった。

「あーそういえばラルフの上で寝たな。」

寝る前の事を思いだした。

「誰がベッドに運んでくれたんだろう?」

疑問に思いつつ、ラルフとは反対側に手をつくとなにやら柔らかいものが手にあたった。

「なんだ?これ?」

手が触れてる方を見るとミズホがいた。

「な、!」

俺はゆっくりに手をのけようとすると、ミズホの目が開き

「おはよ、リョウ兄、朝からエッチなの?」

「ま、待って!事故、事故だから!」

「リョウ兄ならいいよ?もっと触る?」

「触りません!」

「いいのに。」

「そんな事より、なんで布団の中にいるの?」

「ラルフと一緒にリョウ兄を寝かしていたら、私も眠くなってそのままね♡」

「ねっ、じゃない!男の子の布団で寝るなんてダメでしょ!」

「リョウ兄だからいいんだもん。」

「よくありません、ミズホも大きくなったんだからその辺は気を付けないとね。」

「リョウ兄がオオカミさんになるから?」

「なりません!」

「いいのよ、たまにはカピバラさんやめてオオカミさんになろ?」

「なっ!どこでカピバラの話を!」

「ミウちゃんが言ってたよ。でも、私の前ではオオカミでもいいよ♡」

ミズホは俺の手をとり自分の胸に当てる、

「ほら、リョウ兄。私をたべて♡」


「お兄ちゃん、おはよー!」

ミズホのアピール中にリナが入ってきた。

あわてて、距離をとる

「お、おはよリナ」

「お兄ちゃんが起きてる気配がしたからきたけど、ミズホ、お兄ちゃんと距離が近いよ、離れて。」

「リョウ兄と朝のスキンシップなの♪あと二時間ぐらい待ってくれるかな?」

「ミズホ、二時間って、なにする気だ!」

「わかってるくせに♡リョウ兄は天井のシミを数えていたらいいよ。」

「ミズホ、ダメ、お兄ちゃんは朝から私と遊びに行くの。」

リナは俺とミズホの間に入り、引きはなそうとする。

ミズホは抵抗していたが俺は押されるまま、ラルフの方に転がった。そして、ライドオン!

「ラルフ、ゴー!食堂を目指せ!」

ラルフは立ち上がり俺と部屋を後にした。


「お前はなんで犬に乗って来るんだ?」

あきれたようにダイキが聞く。

「便利だろ?」

「見た目が悪いし、ラルフが可哀想だ降りてやれよ。」

「ラルフは喜んでいるよ。」

ラルフの尻尾は大きく振られていた。

「やかましい、犬に乗るなって言ってるんだよ!」

「なんだ、そうなのか?仕方ないなぁ。ラルフ、恨むならあの兄さんを恨むんだぞ。」

「ワン!」

リョウが降りるとラルフはダイキに吠えていた。

「このバカ犬が!リョウに踊らされるなよ。」

そこにミズホとリナが入ってくる。

「お兄ちゃん、なんで先に行くの!」

「おはよ、リナ。」

「おはよう、お兄ちゃん、じゃなくてなんで先に行ったの?」

「二人がもめてたから、ラルフにまたがりゴーした。」

「うー、もめたりしないから置いていかないで。」

「ハイハイ、いいこにしてたら置いて行ったりしないよ。」

「うん、リナいい子にするよ。」

リナは俺に抱きついてきたので頭を撫でる。

「リョウ兄、リナちゃんに甘過ぎない?」

「リナはまだ子供だし、いいんじゃないか?」

「私も甘やかしてほしいなぁ~」

「なんだミズホも撫でて欲しかったのか?ならおいで?」

「いいの?」

「まあ、イトコだしな、撫でるぐらい問題ないだろ?」

「うん。」

ミズホが抱きつこうとすると・・・

アズサが止めた。

「問題あります!イトコとはいえ成人手前の女性を抱き締めたらダメですよ、リョウくん。」

「アズサさん、武士の情け見逃して。」

「ダメです、そんな羨ましいことさせません。」

「大げさだな、なあリナ。」

「うん、でもここは私の居場所だから。入れてあげない~」

「こらイジワルを言うと追い出すぞ。」

「やっ!イジワル言わないから、ここにいる。」

リナは俺の胸に頬擦りしてくる。

「「あー」」

「どうしたの?」

「リョウくん、羨ましいです。私も入っていい?」

「アズサさん!さっきの自分の言葉はどうしたんですか!」

「だって、ミズホさん、あれ見て耐えれます?私もしたい。」

「私だってしたかったのに邪魔したのはアズサさんでしょ!」

「姫様、ミズホさん、朝食の準備が出来ましたので、争うのはそこまでにしてください。それに私は裸のリョウ様を知ってますのであれぐらいで動揺したりしませんよ。」

「カエデさん!」

「あっ!ご飯出来たってリナ行こ。」

「うん♪」

俺とリナは食卓につく。

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