第197話 リョウ目覚める

「リョウ!」

「生きていたのか!」

「死んでないわ!それよりダイキ一服盛っただろ!」

「なんのことかなぁ~」

「ラルフが起こしてくれなかったら、まだ寝てるとこだよ。」

「寝ててもいいぞ。」

「戦闘あったんだろ?どうなった?」

「俺達が負けるわけないだろ?」

「そうだよ、お兄ちゃんダイキが頑張って私達を守ってくれたよ。」

リョウ以外の全員がリナを見る。

「そうか、ダイキおつかれ~」

「いや、俺は・・・うん、頑張った。」

リナがリョウにバレないように睨んでいた。

「リョウ、よかった!ちょっと話を聞いてくれないか?」

「あれ?レオンさん、どうしてここに?」

「すまない、襲撃したのはリチャードなんだ、俺はそれを止めに来たのだが、来たときには終わっていたよ。」

「あー今日来るなんて運のない。それでリチャードの首の回収?」

「いや、手足は失ったがまだ生きてる。」

「ダイキらしくないな、止めはささないと。」

「ま、まってくれ、これでも親友なんだ、命だけは助けてくれないか?」

「なぜ?警告しましたよね?次に近付いたら始末するって、」

「それはすまない、としか言いようがないが・・・」

「まあ、親友を見捨てれない気持ちはわかります。だから、選ばしてあげますよ。レオンさんが右腕を置いていったら、連れて帰っていいです。」

「・・・なんて?」

「だから、リチャードを助けたいなら右腕を斬り落とします。それでもいいなら連れていっていいですよ。もちろん、次に近付いてきた時の命の保証はしませんが。」

「なんでそんな事を!」

「言いましたよね、リチャード程の手練れが襲撃してきたら最悪こちらが死ぬかもしれません。結果を見たら勝てましたがそれは結果なだけです。俺としてはこのまま始末しておきたい所ですが、敵地に一人で乗り込んで来ている勇気を称え、右腕一本ですましてあげようと言うことです。」

「なぜ、私の腕がいるんだ!腕ならリチャードの腕を奪ったじゃないか!」

「なんのリスクもなく意見が通るとでも?俺達は命のやり取りをしたんだ、結果を変えたいなら代償を払え!」

「・・・わかった、この腕を渡そう、ただ、切り落とす勇気はないから、斬ってくれないか?出来れば痛くなかったらいいなぁ~」

「いい覚悟だね、俺が斬るよ。」

俺はラルフから降り、刀を構え殺気を放つ!

「ぐっ!」

レオンさんは殺気に負けることなく、右腕を横に出し斬りやすいようにしたまま動かなかった。

「いくぞ!」

俺は刀を振り下ろす!

・・・のを途中でやめた。

「リョウ?」

「あー眠いからやめた。連れて帰っていいよ。レオンさんの覚悟だけもらっておくよ。ただ次があるかはわかんないけど。勝手に決めたけど、みんなもそれでいいかな?」

「お前が決めたなら、文句は出ないよ。」

「うん、決まりだね。レオンさん連れて帰っていいよ。」

「あ、ありがとう。」

「気が変わらないうちに帰ったほうがいいよ、俺が寝たらどうなるかわからないし。」

「わかった、後日あらためて謝罪と賠償をさしてくれ。」

レオンはリチャードを連れて屋敷から出ていった


「ところでダイキ薬の件は許さんぞ~」

「お前、それぐらい許せよ、戦闘しなくていいようにはからっただろ!」

「みんなを戦わせて自分が寝るなんてダメだろ。」

「たまには休めよ、それとも俺達を信じれないか?」

「その聞き方は卑怯だぞ!」

「なら薬もチャラだな♪」

「仕方ないか。」

俺はまたラルフの上で横になる。

「はい、リョウ兄コーヒー入れてきたから飲んで。」

「ミズホありがとう、眠気が酷くていかんね。」

俺はコーヒーを飲む。

「にがっ!」

「苦めに入れろって言ったじゃない!」

「そうだけどね、苦いの苦手。」

「もう!」

「ねぇ、お兄ちゃん。明日は何して遊ぶ?」

「うん?」

「お兄ちゃんと久し振りに遊べるの楽しみにしてるの♪」

「うーん、どこか行きたいところある?」

「映画見にいこ!見たい映画があるの!」

「いいよ、なんて映画?」

「ひみつ♪試写会のチケット手に入れたから一緒にいこ~」

「まあいいか、みんなも行くか?」


出欠をとった所、

参加者はアズサ、カエデ、ミズホ、リナだった。

「うーボクも行きたいけど、明日は仕事がぁ~」

「・・・仕事?アズちゃんや俺の仕事って何になるの?」

「東海地区と長野支部が売上を出していたら特にやることないですよ。」

「・・・今度、陣中見舞いに行きますね。」

「皆さん喜びますよ。」

「リョウ、それ仕事なの?」

「マタ、疑問に思っても言うな。俺もそう思ってるから。」

「リョウくんには家庭に入ってもらってもいいんですよ。」

「まだだ、まだ終わらんよ!」

「リョウ、そろそろ墓場が見えてきたな。」

「ダイキ、いらんこと言うな!」

明日の予定が出来たところで眠気に負け、気がつくとラルフの上で寝ていた。

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