第159話 家族の愛
「二人とも俺は大丈夫、別に家族の愛に飢えてないから!」
「ダメです。リョウ兄、私がリョウ兄を癒してあげたいの、だめかな?」
「うっ!」
「だめです。リョウさまは私の愛で癒しますので、親戚の方はお引き取りを。」
「なによ、カエデさんこそ家族の話に口を出さないでもらえますか!これは桐谷家の問題なんです。」
「そんな事言ってリョウさまを一人占めしようなんてさせませんから。」
「一人占めなんてそんな・・・私はただ、私の料理を食べてもらって家庭の味を知ってもらったり、二人でお出かけして・・・」
「それは彼女か妻の役目ですよ、御親戚のミズホさまがする事ではありません。」
「まあまあ、カエデもミズホともめないで、それに食事もお出かけもしばらく此処にいるんだから出来るしね。」
「リョウ兄・・・」
「リョウさま、また女性を増やす気ですか?」
「カエデ人聞きが悪いこと言わないでよ。」
「事実ですが?」
「増やしてないからね!それにミズホはイトコだよ。」
「リョウさま、イトコは結婚出来るのですよ。」
「そうなの?」
「はい。」
「でも、そんな目で見たことないしな。」
「リョウさまがそんな目で見たことある人って誰ですか?」
「・・・さあ、夕食は何かなぁ?」
「誤魔化しましたね。」
「な、なんの事かなぁ?それよりお腹すいたなぁ~」
「あら、争いはやめたの?」
「タエさん、ご無沙汰してます。あとしばらく御厄介になります。」
「いいのよ、リョウくんはうちの子みたいなものよ、それに私は男の子も欲しかったし♪」
「ありがとうございます。」
「それより大変だったでしょ、テレビで色々やってたけど・・・」
「まあ、大変でしたがいろんな人の助けで何とか乗り越えられました。」
「それならケガが治ったらお礼に行かないとね。」
「そうですね。たくさんいて大変ですが。」
「さあ、かたい話は此処までにして、食事にしましょ♪今日はステーキよ。」
「おお、立派なお肉だ。」
「リョウさま、ヨダレ出てますよ。」
カエデがふいてくれる。
「ありがとう、でも美味しそうじゃない?」
「ええ、これいいお肉では?」
「神戸牛の最上級を堪能あれ♪」
「これが・・・いただきます。」
リョウは一心不乱に食べだした。
「リョウさま?」
「うん、美味しい。肉もいい肉だけどタレが更に味を増してる。」
「それは自家製のタレなの、ミズホも作れるようにならないとね。」
「お母さん、レシピ教えてよ~」
「だぁめ~家庭の味とか言うなら自分で考えてみなさい。アドバイスはしてあげるから。」
「お母さんのケチ。」
「今、リョウくんの好みの味がだせるのは、私とミウちゃんぐらいかしら?」
「う~ん、美味しいだけなら、アズちゃんやサエちゃんもだせるけど好みと言われるとタエさんとミウかな?」
「聞いたミズホ、リョウくんを慕う人はたくさんいて、胃袋を掴んでいるのはミウちゃんよ、あなたがリョウくんを手にいれるのはそれだけ難しいのよ。」
「そんな・・・」
「ミズホ、あきらめるの?」
「ううん、私は負けない、お母さん協力して!」
「ええ、私がミズホを一人前の女にして見せます!」
「お母さん!」
「ミズホ!」
スポコンのノリで親子が抱き合っていたが、そのテンションについていけなかった。
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