第156話 ミズホ

リョウがアキヒロの家についた頃、

「ミズホーもっとも楽しそうにしなよ。」

大学のサークル仲間とUSJに来ていた。

「だって、女の子三人で行くって行ってたのになんで男が三人来てるのよ!」

「ミズホ、固いよ。大学生なんだから男友達ぐらいで騒がない。」

「だって、私は興味ないんだもん。」

「はぁ、ミズホはなんで男に興味ないかな?今日のメンツ見てよ、みんな良いところの子だよ、イケメンばかりだし。こんなのなかなかセッティング出来ないんだからね。」

「それなら、他の人誘ってよ、私が苦手なの知ってるでしょ。」

「それがね、向こうからミズホの参加を求められてて・・・お願い、今日1日付き合って!」

「まあ、予定も無いし、アカリとミチの願いだから聞いてあげたいけど・・・」

「女の子だけで何を話してるの?今日は1日楽しもうよ。」

「コウイチさん、女の子の会話に入ってくるのはデリカシーにかけますよ。」

「ミズホちゃんは厳しいなぁ、でも、怒った顔も素敵だよ。」

ミズホは嫌そうな顔をした。

「アカリ、私帰る・・・」

「待ってーーー!」

「ちょっと、コウイチくん離れてて。」

「いい、私達がいい男を捕まえるチャンスなの、ミズホが興味無いのは知ってるけど私達の為にね。」

「えーーー」

「嫌そうな顔しないで、それにハリポタに一度来たいって言ってたじゃない。」

「そうだけど・・・」

「「お願い」」

二人に頭を下げられてシブシブ付き合うことに・・・


「ミズホちゃん、さっきのアトラクション楽しかったよね。」

「そーですね。」

「ミズホちゃん、これ美味しいよ、食べてみない?」

コウイチは自分が食べていたパフェをすくいミズホに食べさせようとする。

「結構です。」


「アカリームリ!もうヤダ!オウチ帰る!」

「まあまあ、押さえてよ。それにもうちょっとだからね。」

「でも、この後食事しようとか言ってなかった?」

「ミチ!シッ!まだ言っちゃダメだって!」

「ふーん、そんな話があったんだ・・・」

「落ち着いて、ねっ?ほら食事ぐらい普通の事だよ。」

「私はイヤだって言ってるよね・・・」

そう言った先にミズホの携帯が鳴る、

「あっ、ゴメン、実家からだ、ちょっと出るね。」


「何?」

「ミズホ、今日は実家で一緒にご飯を食べないか?」

「お父さんどうしたの?いきなり、私も予定があるんだけど。」

これを理由にコウイチ達との食事を断るかと考えていたら。

「いや、ミズホは帰ってくるね。」

「何?なんで決めつけてるの!」

「リョウが来てると知ってもかい?」

「リョウ兄きてるの!」

「そうだよ、しばらく泊まってケガの療養したいそうだ。」

「なんで早く言わないの!」

「今日、いきなり来たんだよ。それでどうする?予定があるなら仕方ないが・・・」

「行く!絶対行くから!」

「無理にとは言わないよ、リョウくんも少し具合が悪そうだし後日落ち着いた時でも。」

「えっ!具合悪いの?大丈夫なの!」

「今は寝てるけど、まあ動いているみたいだから大丈夫だとは思うが・・・」

「何それ!すぐに行くから!」

ミズホは携帯を切った。

「アカリ、ミチ、急用が出来たから私は帰るね。」

「「えっ!」」

「ちょ、ちょっと困るよ、この後の予定が・・・」

「うるさい!急用なの!今日はここまで付き合ったんだからいいでしょ!」

「でも、ここから神戸までは時間かかるよ?男の子達の車に乗せてもらおうよ。」

「お断り!何されるかわからない車に何て乗れません!それにタクシー使うから大丈夫だよ!」

「えっ!タクシーってお金大丈夫なの?」

「それぐらい大丈夫、足りなかったらお父さんに出してもらうし、それよりはホントに急ぎなの!これで失礼するね。」

「待ってミズホ!」

ミズホは振り返らず、出口に向かって行った!

「・・・これからどうしようか?」

「たぶん、お開きだよね。」

残された二人は肩を落とすのだった。







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