第155話 残された三人

その頃、京都の土御門家では・・・

「リョウくんが見つかりました!」

「アズサさん、何処にいるの!」

「神戸の親戚の家に送ったと、連絡がありました。」

「神戸・・・アキヒロ叔父さんかな?すぐに向かいましょう。」

「ミウさん落ち着いて、今から向かったら夜遅くになってしまいます。ただでさえ怒らしてしまったのですから、これ以上の印象低下は避けましょう。明日の朝向かいます。」

「うーーー!」

「サエさんはどうなさいますか?」

「もちろん私も向かいます、リョウさまに謝らないと。」

三人は充分反省していた。


「リョウのヤツ逃げ足だけは俺より早いな。」

「あんたがシゴキ過ぎるから逃げ足が早くなったんじゃないかね。」

「否定はできんな。それにしてもアキヒロのとこか、アイツなら面倒見てくれるだろう。」

「あの子が一番リョウを可愛がっていたからねぇ~」

「そういえば、ミウちゃんと婚約発表したあと養子に渡せと連絡してきたらしいぞ。なんか、親の都合で婚約させるなとか抗議してきたらしい。」

「しかし、女の子に囲まれてる今の状況をミズホちゃんはどう見るかねぇ~」

「ミズホ?ミズホが何か関係あるのか?」

「はぁ、なんで桐谷の男どもはこうも鈍いかねぇ~」

「何を言うか、鈍いわけはあるまい、まだ、銃弾だって斬れるわい!」

「物理的な話じゃないよ、女心の話だよ。」


「お婆様、その話はどのような事ですか?」

「なに、ミズホはリョウのイトコなんだけどね。子供の頃からリョウを慕っててね、家が近ければミウが入る隙は無かったんじゃないかな?」

「あぅ、ミズホ姉さんですか、あの人子供の時の私がリョウくんに抱きついても睨んでましたし。」

「でも、ミウさんも下心有で抱きついていたなら睨まれるのは仕方ないのでは?」

「アズサさん、キツいよ~でもその通りなんだけど、普通おままごとの結婚式で奥さん役を小さい子供から取り上げようとする?」

「・・・ミウさん、小さい子供なら何をしてもいい訳ではないですよ。普通おままごとで結婚式はしません!」

「子供頃の話だよ。でも、リョウくんちゃんとエスコートしてくれたな。」

ミウが思い出にうっとりしていた。

「そんなことより、リョウさま、大丈夫でしょうか?」

「そんなことって、サエさんヒドイ。」

「そうね、そんな子が近くにいるのはリョウくんが危険かも。」

「でも、カエデさんがついていってるから大丈夫で・・・ないよね、余計に危ない!」

「カエデも危険な子だからね。」

「今晩がリョウさまの貞操が危ない!」

「どうしよう、でも、行けないし!」

「あーーー!」

残された女、三人もどかしい一夜を過ごす。

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