第101話 リョウが倒れた夜

俺は病院に着いた頃には意識がなくなっていた。

レントゲンをとったところ急性硬膜下血腫が発生していた。

「先生!リョウくんは大丈夫ですよね!」

「これは、急ぎ手術の必要があります。」

「そんな!助かりますよね。」

「全力を尽くさせてもらいます。」

「先生お願いします。リョウくんを助けてください。」

手術が開始された。


手術が開始されてからアズサも駆け付けてきた。

「ミウさん、リョウくんは!」

「今手術をしてるところ、大丈夫だよね。」

「大丈夫だよ、リョウくんは強いからきっと乗り越えるよ。」

ミウとアズサは互いに手を繋ぎ、リョウの無事を祈った。


そして、手術が終わる。

「先生、リョウくんは!」

「手術は成功しました。あとは本人が意識を取り戻せるかです。なるべく呼び掛けてあげてください。」

「「わかりました。」」

ミウとアズサは一晩中リョウの手を取り呼び掛けた。


その頃、源グループ東海支部では・・・

「若が警察にやられた!」

「どういう事だ!」

「どうやら、冤罪をかけられ拷問されたらしい。」

「なんと、お痛わしい・・・」

「クソッ!警察め、若を手にかけるとは!」

「織田支部長!我等は報復に出るべきかと!」

「あたりまえだ!若をやられて黙っておれるか!若に忠節を誓う者は警察に物を売るな!」

「はっ!」

「少なくとも東海エリアは警察と戦うぞ!」

「おーーー!!!」

事態は悪化していく・・・


源グループ長野支部

「若が官憲の手にかかった!」

「なんだと!」

「みな落ち着け!落ち着いて、警察に焼き討ちの準備をいたせ!」

「はっ!」


「またれい!」

「なんのようですか、渡辺本部長」

「来てよかった、焼き討ちは暫し待て!」

「なぜ!」

「落ち着け、リョウくんがそれを望むと?」

「しかし、我等の忠誠を示す時です。若に手を出した事を後悔させてやる。」

「落ち着けと言っておる、リョウの回復を待ってからにしとけ、取りあえず、警察に物を売らないぐらいにしとくように。リョウくんには回復次第長野支部の覚悟を伝えておく。」

「仕方ない、ただし、若の命令が下り次第長野の警察は全て燃やし尽くす事をお忘れなく!」

「わかった。しかし、リョウくんの命令が出てからだぞ、早まった真似はするなよ。」

長野支部は爆発寸前になっていた。


源グループ中央会議室

長野支部、東海支部の暴走が伝えられる。

「はぁ、危ないなぁ、リョウくんに忠誠誓った所はなぜ武闘派になってるんだろう?」

「会長、全体としてはどうしますか?」

「源グループは警察に物を売らない、これは決定だ、あと、警察に事実関係を確認、マスコミにもリークして世論を味方につける。各所に連絡を。あと、勝手に暴走しないようくれぐれも連絡、暴走しそうな所はリョウの命令を待つように伝えること。」

「はい、直ちに。」

秘書が部屋から下がったあと

「リョウくん、早く回復してくれないと・・・」

ヨシナリは支部の暴走を懸念していた。

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