第100話 山中家から離脱
リョウが逮捕されたあと、山中家ではマイとトオルで会議が行われた。
「お父さん!なんでこんな事になるの!リョウさんに助けられたのに、また迷惑かけるの?」
「マイ、ボクもそんな気はなかったんだが・・・」
「じゃあ、なんでお母さんがあんなことするのを黙って見てたの?」
「お母さんは人の話を聞かないんだよ。」
「ふーん、お父さんはそれでいいと思っているの?前の時はリョウさんが折れてくれて、私の安全の為に世間を誤魔化してくれたけど、今回は酷すぎるよ。」
「しかし、別に犯罪なんてしてないんだから、すぐに出てくるだろう。リョウくんならきっとまた許してくれるさ。」
「お父さんもそんな考えなんだね。やっぱり私はお爺ちゃんの所で暮らすね。戻って来たのが間違いだったよ。」
「マイ!なんて事を言うんだ!リョウくんをケガさせた事も落ち着いてやっと家族で暮らせるようになったのに!」
「もう普通に暮らせなくなるよ。」
「なんでだよ!」
「たとえリョウくんが許してくれてもミウさんは許してくれないよ、それにアズサさんの所はヤバイってミウさんも前に言ってた。お父さんはこれからどうする気?西園寺、源、この二つが敵になるなんて怖すぎるし、お父さんの新しい支援者のバーク財閥も敵になると思うよ。今日話したエミリーちゃんもリョウくんに好意を向けてたから・・・」
「そ、それはだな、お父さんがなんとかするから・・・」
「なんとも出来ないよね・・・ねぇ、娘の私が言う事でもないけど、お父さん離婚はしないの?」
「マイ!何を言ってるんだ!言っていいことと悪い事があるぞ!」
「そんなことわかってる!でも、私はもう無理!あんな人お母さんなんて呼びたくない!」
「マイ、お母さんに悪いと思わないのか!」
「もう、そんな感情残ってないよ・・・好きな人を冤罪で犯罪者にされてみてよ、相手は私の恩人で妹の恩人、お母さんもお父さんも一度助けてもらったのにまた裏切るの?」
「それは・・・」
「私はイヤだよ。もし、お父さんが離婚しないならお爺ちゃんの所にいかして。もう、お母さんに会いたくない。」
「わかった。でも、ボクは離婚する気はない。マイお爺ちゃんの所に行ってくれるかい?しばらく時間をおいたほうがよさそうだ。」
「うん、今日中に出ていくよ。お父さんもこれから大変だと思うけど頑張って・・・」
マイはまた家を出ることになった。
戻れないことも覚悟の上だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます