第98話 取調べという拷問

連れて行かれた警察署の取調室。

「お前は何をやったのかわかっているのか!」

「いえ、全然?何をしたんですか?」

「貴様は惚ける気か!少女に暴行を行った事はわかっているんだ!」

「へぇーどこの誰を暴行したのですか?」

「そんなの言うわけないだろ!被害者が可哀想だろうが!」

俺は顔を机に叩きつけられる。

「いてぇーなぁ!てめぇ何しやがる。」

「いいから白状しやがれ!ここに書けばいいんだよ!」

「お断りだね!やっても無いことを書いたりできるか!」

俺は立たされ、腹を殴られる。

「ぐっ!」

「さっさと書いたほうが身の為だぞ。」

「やだね!」

「松本巡査長!やりすぎです。」

「いいんだよ!さっさと白状させたらいいんだよ!」

「こんな取調べは違法です!」

「むらた~お前は頭の固い奴だな、これは昔からある方法なんだ、いいか、これは上からの指示だ、さっさと白状させる必要があるんだよ。」

「上からの指示か、一体どこからなんだろうね。」

「てめぇはまだそんな余裕があるのか!」

俺は警棒で腹を殴られる。

「なんだ、非力な奴だな、こんなので殴ったつもりか?」

「てめぇ!」

頭にきたのか、松本巡査長はリョウの頭を殴った。

「いいのかよ?見える場所を傷つけてよぉ。」

「てめぇみたいな犯罪者には何をしてもいいって決まってるんだよ。」

松本はもう一度、警棒で頭を殴る。

「ぐっ!」

「どうした!さっきまでの威勢はどこいったんだよ!」

さらに殴りつける。

「松本巡査長、いけませんって!死んだらどうするんですか!」

「かまいやしねぇよ、こんなクズの1人ぐらいいないほうが世の中の為なんだよ。」

「不味いですって!」

「いいんだよ、上はコイツを檻からだす気はないんだからな。」

「えっ?」

「村田くんもこういう仕事を覚えたらいいぞ、なにせ臨時ボーナスがつくからな。」

「そんな!」

「おら、立てよ!寝るにはまだ早いぞ!」

頭部のダメージでふらつくリョウを更に殴る、勢いで床に転がったリョウの顔を踏みつけ、

「俺はなお前みたいな強さに自信がある奴をな、屈伏させるのが大好きなんだよ、さあ、いい声で鳴けや!」

顔を蹴り上げる!

「ひゃはは、どうだ!命乞いする気になったか!」

「だれがするか・・・てめぇの顔は覚えたからな・・・」

「覚えてどうする?俺は警察だぞ、やったら逮捕するだけだよ」

「ゲ・ス・が・・・」

「まだ、元気があるようだな、いつまで持つかなぁ!」

転がったリョウを再度蹴った所で

部屋にミウが入ってくる。


「リョウくん!」

「なんだ、このガキは!」

「警官が暴行を行っていいんですか!」

「あーこれは取調べなんですよ、邪魔しないでもらえますか?」

「では、正当な取調べだと。」

「ええ、そうですよ、さあ子供はさっさとお家に帰りな!」

「なるほど、では警察官としては正しいと認識でよろしいのですね。」

「なんだ、てめぇは?」

「申し遅れました。私は西園寺の顧問弁護士を行っている鈴木と申します。今回の不当逮捕について確認をしたところ、此方で取調べを行っていると聞いたのですが、まさか取調べではなく拷問をしてるとは思いませんでした。この事は広く世間に知っていただく必要がありますね。」

「弁護士?い、いやちょっと待ってください。」

「いえ、待ちません。今回の逮捕にいたった犯行時間の彼のアリバイ、そもそも、届け出事態の存在が無いことも既に調べがついています。あと、指示を出していたのが警視監 宇都宮本部長というのも調べはついております。今後、証拠の隠滅や関係者を庇うような動きはしないほうが身の為ですよ。」

「ぐっ!」

「鈴木、そんなことよりリョウくんを病院に連れていくからね。」

「ええ、急いでください。私は警察に用事がありますので。」

「後は任せたから、急いで病院に!」

「ありがとミウ・・・」

「しゃべらなくていいから、早く病院に行かないと!」

「ミウ様、救急車がまいりました。」

「急いで!」

俺はミウに連れられ病院に向かった。

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