第97話 リョウ警察に捕まる

「あなた、マイは見つかった?・・・なんであなたが外を歩いているんですか?桐谷さん。」

「はあ、トオルさん、恨みますよ。」

「すまない、マキいいから、さあここを離れよう。」

「何を言ってるんですか!この人は檻に入ったって言ってたじゃないですか!もう出てきたの!」

「いいから、行こう!」

「良くないです!こんな犯罪者すぐに警察につき出さないと!」

「マキ、後で説明するから。」

「いいえ!すぐに逮捕してもらいます。」

マキは電話をかけた。

するとすぐにパトカーが現れる。

「君か少女に暴行を働いているのは!」

「いいえ?何もしてませんよ。」

「言い訳は署で聞く、ついて来なさい!」

「いやいや、いきなり逮捕ですか?さすがにおかしいですよね?」

「なんだ、やましい事があるのか!やましくないなら着いて来なさい。」

「日本の警察さん、リョウは私と一緒に居ましたがいつ暴行したのですか?」

「なんだ、この外人は!」

「私はイギリスのレオン、バークといいます。彼は私と娘を案内してる最中なのですが、いつ暴行するのですか?」

「うるさい!上からの指示だ!ツベコベ言わずに着いてきたらいいんだ!」

「トオルさん、これはどういう事ですか?」

「妻の親族に警察の上の方がいるから其処に連絡したのかなと。」

「なるほど、以前捕まらなかったのもその辺りが理由ですか。となるともう一度やり合う事になるのですね?」

「そ、そんなことはさせない。マキ!警察はやり過ぎだ、取り下げなさい!」

「あなた!何を言ってるの!犯罪者は二度と外を歩かせては行けないわ!今度こそ出てこれないようにしないとユミの身に危険がくるじゃない!」

あまりの騒動にエミリーとマイも気付く、

「お母さん、何してるの?」

「マイ、近づいちゃダメよ、犯罪者がいるの。」

「犯罪者?」

「マイ忘れたの?ユミを泣かした相手よ。」

「お母さん、何を言ってるの!お父さんもお母さんに説明したんじゃないの!」

「マイ、それは・・・」

「そうなんだ・・・説明してなかったんだね。おかしいと思ったんだ。病院にも行かず普通に生活してるし。お父さんはリョウさんの好意に甘えたのですね。」

「違うんだ、機会をみて言おうとしていたんだ。」

「その結果またリョウさんに迷惑をかけるの?」

「マイ、お父さんになんて口を聞くの!謝りなさい。」

「なんで謝る必要が?それよりはお母さんが謝る必要があるよ。」

「マイ!」

山中家で家族喧嘩が始まった。


警察はそれを止めることなく、俺を連れて行こうとする。

「さあ、こい!」

「お巡りさんはアレを止めないでいいんですか?」

「家族喧嘩に警察が行ってどうする!」

「ふーん、それで俺を捕まえるけど罪は何?」

「婦女暴行だ!」

「相手は?場所は?時間は?」

「う、うるさい!」

「じゃあ、警察手帳見せてもらえる?」

「なんで見せる必要がある!」

「あなた達が本物の警察だと誰が証明出来るのですか?ただの誘拐犯が警察の制服を来てるだけかも知れませんし。」

「貴様は本官を侮辱する気か!」

「それで手帳は見せてくれるのですか?」

「・・・今は持ち合わせてない。」

「おかしいですね、職務中は持たなくてよくなったのですか?」

「う、うるさい!お前が着いて来ればいいだけだ!」

「警官かどうかもわからない相手に着いて行くわけないでしょ。それより・・・あんた達もこの命令がヤバイと気付いているんでしょ、だから手帳は出せない、違いますか?」

「そ、それは・・・」

「俺は権力を振り回してやりたい放題する奴が嫌いでね。今回の一件どんなことが合っても命令者を潰してやる、あんた達も一緒に潰されるか?」

「個人に何ができる。」

「俺は西園寺グループのトップに顔が聞くし、源グループも味方してくれるだろう。この二つの企業とやり合う覚悟はあるかな?」

「リョウ、それにバーク財閥も入れてくれ。こんなことは許されてはいけない。

どうだい、これで少なくとも戦う力は出来たはずだ。」

「そ、それは・・・」

「君たちの証言で、もし、首になってもバーク財閥が必ず復権もしくは仕事を斡旋しようじゃないか。」

「レオンさん、支援ありがとう、あなた達の答えは今言わなくていいよ、結果で判断させてもらう。もし、敵対するなら一族郎党覚悟する事だね。」

「それでリョウはこれからどうする?」

「大人しく警察に行ってくるよ、不当逮捕の実績欲しいし、レオンさんは西園寺のタツヤさんと源ヨシナリさんに連絡してもらえる。」

「わかった。」

「じゃあ、お巡りさん行こうか。」

「い、いや、それは・・・」

「さっきまでの勢いはどうしたの?上の命令で逮捕しに来たんだよね、捕まってやるからさっさと行くぞ!」

「は、はい。」

警官は項垂れ俺を連行する。

「リョウ!」

「エミリーごめん、せっかくの旅行が台無しだね。」

「そんなのどうでもいいよ、必ず助けるからね!」

「あはは、頼りにしてるよ。」

俺は警察のやっかいになることになった。

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