第9話 再会

さっきの人は追いかけて来ない。

森を抜けた。空には夜明け前の東雲が見えた。

そこには広場があった。噴水が至る所に設置されててまさに西洋の公園といったところだろうか。後ろの建物は教会だ。

疲れきった顔で公園を歩いた。分からないことも多い。

歩いているといつの間にか大通りに出てしまったらしい。

後ろを振り返ったが誰もいない。俺が外に逃げたことで諦めたのだろうか。

大通りに点々と人がいるのを見た。開店準備だろう。

俺は立ち止まってしまった。

自分がこれからどうなるのか、どうやって知らない街で生きていくのか、そんな不安が募った。

そんな中、その数人の中の一人に見覚えがある気がした。

仕草や歩き方でさえ懐かしく感じた。

気付くと早歩きになっていた。


「海翔?」


夜が明けて、朝日が差して明るくなる。

左手でうみの頬に触れた。


「何でこんな所にお前が……」


「……なんで海翔が?」

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